プレミアムフライデー
日本人は働きすぎ、ヨーロッパではバカンスを取るのは当たり前などの話を聞くといつも思い出すことがある。
プレミアムフライデーは働き方改革の一環として政府が一時期プッシュしていたもので、月末最後の金曜日は早く仕事をあがって遊びましょう、みたいな内容だったと記憶している。世間の反応は様々だったが自分の働いていた会社はかなり積極的で、プレミアムフライデーの日は15時には退勤することになっていた。10時から仕事、昼食を挟んで15時退勤なのでその日はほとんど働かない。退勤したあとは飲みに行ったり、ダーツ(当時ハマっていた)を練習しに行ったりしていた。
金曜日はチームの振り返りミーティングがある日だったので、会社のフリースペースでケーキを食べながら振り返りをしたこともある。振り返りはどんな意見でもたくさん意見が出る方が良い。仕事とプライベートの境目のようなゆるい雰囲気は意見出しには適した空気感だった。
少しずつプレミアムフライデーの習慣は薄れていき、仕事も忙しくなり自然消滅のような形で早い時間の退勤は消え去った。でもこの時期に一緒に働いたメンバーとは今も仲が良く、それはこういう時間の余白のようなものが影響している気がする。リモートワークにはサボってしまう問題、働きすぎてしまう問題の両方がある。目の前に一生懸命になる時間は必要として、それはそう長くは続かない。雑談するとか仕事に関係のないものを作るとか、たまに力を抜いて遊びを楽しむことも忘れずにいたい。
いろんな問題にトライするから解決策を見つけた時に気付ける
進研ゼミの漫画に「あ、これ進研ゼミで見た問題だ!」というテンプレがある。進研ゼミで学んでおくと試験にそのまま使えるというPRだが、実際の社会では逆の方が多いと思う。つまり、ある問題に挑んで解けなかったことがあるからこそ、本やネットでその解法を知ったときに本当の意味で腹落ちできる。
学校のテストには正解があるが社会に出てからの仕事にはそれがない。そもそも正解がないような問いもあるし、間違ってるのに正解のような態度で貫き通してしまう人もいる。つまり絶対の正解が見つからない場合が多く、そんな時は調査した上で「これでいこう」と腹を括って前に進む。自分の決断を正解にしていく作業をそこから始める。
正解がない状態は怖い。そんな時に頼りたくなるのは先人たちが編み出したフレームワークで、これは解答集といえるかもしれない。解答を見れば答えは分かる。でもそれを自分で導き出してないので血肉にはならない。本をたくさん読んで誰かの考えをなぞっても自身が成長することはなく、本当の学びはいつでも実践の中にある。
知識をすべて覚えるのは不可能。なので実際の問題に挑み、詰まったところを振り返って学んで知恵にする。基礎となる教養は身につけておくといい。教養は知識のベースとなり、応用的な内容を理解しやすくなる。また、物事が複雑になってくると比喩表現が大事になってくる。「これはサッカーでいうところの〇〇だな」のように自分の知ってるもので例えることで知識がリンクしやすくなる。
いろんなことに興味を持ち、手や体を動かして試してみる。うまくできないことの方が多いが、それは自分のなかの疑問符として残り続ける。人生やってるとその疑問符が回収される瞬間がある。その瞬間が楽しいし、ひとつ知恵のレイヤーの重なりが増えた感覚になる。疑問がたくさんある状態は良いことだ。
「疲労社会」を読んだ
「疲労社会」を読んだ。スキルや成果を競い合う現代社会、私たちは疲れている。最近はさらにAIが登場し、日々の生産性をさらに高めることを求められる。その疲れの根本はどこにあるか?それは意外にも現代で良いとされる「主体性」「自由」にある。
規律を定めてそこからはみ出すものを罰する社会から、いまは自律性を重んじて高め合う社会になっている。他人に怒られて気を病むのではない。できない自分を自分自身が追い詰めてしまう。そしてそれは自由を与えられ、他者や過去の自分と競い続ける構造に捉われている。
他人から与えられた仕事なら、それを上手くこなせば褒められて一定の満足が得られる。自分で追い求める仕事は、成果が出たら次はもっと上手くやろうとさらに上を求める。この欲求には際限がない。その結果無限に自分からエネルギーを搾取することとなり、疲れ果ててバーンアウトしてしまう。
人は活動的になればなるほど、それだけいっそう自由であるというのは、ひとつの幻想であろう。
いろんな場所に行っていろんな人と会う。活動的なことは基本良いものとされているが、受けたインプットをそのまますべて表現してしまうとエネルギーが消耗されすぎてしまう。自分のフィルターを通して選別する。良い刺激は受け入れ悪い刺激は無視する。自分の中のブレーキを育てることが本当の自由に繋がっていく。
マルチタスクは、後期近代の労働社会および情報社会に生きる人間だけに可能な能力ではない。むしろそれは退化である。
マルチタスクは野生動物にも広く見られる。注意に関する技術は、野生を生き抜くためにも必要不可欠なものである。
「マルチタスクをこなす方法」などと生産性向上を謳う記事がたまに出るが、人間の脳はシングルスレッドで複数のことを切り替えながらやると必ずパフォーマンスは落ちる。マルチタスクにこなす力は現代のスキルのように言われるが、野生をサバイブするためにそもそも必要で古来よりあるスキル。むしろひとつのことに没頭する能力の方が人間が文明ともに手に入れた能力なのかもしれない。
世の中で話題になってるAIについての記事をまとめるサイトを作った
AIのニュースが毎日世の中を騒がせているが、いま一番AI情報が集まってるのはどこかというとX(旧Twitter)な気がする。真面目にブログを書いてもすぐ内容が陳腐化したりするし、日々の試行錯誤を雑に垂れ流すにはXくらいがちょうど良い。しかしXには大げさに驚いて注目を集めようする人も多くて騒がしい。落ち着いて情報を集める仕組みが欲しいとかねてより思っていた。
半年くらいずっと思っていたので、「AI新聞」というサイトを自分で作った。世の中で話題になっているAI関連の記事を1日1回集めて新聞にしてくれる。記事のタイトルが10個くらい並んでいて、気になる場合は元記事に飛ぶか、あるいはAIが要約した内容をサッと見れる仕組み。簡単にいえば昔のGunosyみたいなもので、手軽にチェックすべき記事がまとまるようになっている。
こういうのは情報ソースが大事だが、色々考えた結果はてなブックマークで人気の記事に加え、技術共有サイトのZennとQiitaでよく読まれてる記事をソースとした。OpenAIやGoogleなどの日々の更新を拾っていくと多すぎるし、かといってXで目についたものを読むのも偶発的すぎる。十分話題になったものははてブにも挙がってくるはずなのでこの構成でいったんヨシとした。本当はXで何人かをピックアップしてその人たちが紹介してるリンクをまとめる形にしたかったが、XのAPIが今はとても高額になっているのでやめた。趣味で使う自分向けサイトに月2万円もかけてはいられない。
このサイト自体もClaude CodeというAIエージェントに作ってもらった。やりたいことを伝えるだけで実装してくれるのは楽しすぎる。人間の手でやったのは20%くらいだろうか。大まかな流れを伝えて実装してもらい、デザインの手直しだけ最後に自分でやった。こういうちょっとしたアイデアを実現するのには本当に良い時代になった。毎日朝4時に発行されるようになっていて、朝7時にはこのサイトが自分のGmailにメール通知されるようになっている(新聞さながら)。一週間くらい自分で使ってみて、情報ソースや読み心地など細かい手直しをしていく予定でいる。
MBTI診断
恋愛リアリティショーといえばバチェラーが一番知名度が高いと思うが、AbemaTVでは毎週月9に「今日好き」が放送されている。コンセプトは「高校生が行く2泊3日の恋の修学旅行」で、10人くらいの男女が恋の矢印を右往左往させる。前シーズンは良いキャラの高校生が出演してSNSでバズり、ヒット作になった。多くの人が見始めて有名人もコメントし、Abemaの番組で1位になったらしい。それは喜ばしいことだが、次のシーズンがはじまりメンバーが発表されると、その中にはまたその人気高校生の姿があった。
続けて見てきた身からすると全シーズンは特別回で味が濃く、通常回を普通に楽しみたかったので少し残念。でもスタッフの立場で考えると前シーズンで新規に掴んだ視聴者を継続させたいだろうし、良い方法なんだろう。すべての人を満足させる選択肢はいつでもない。
最近の若者はほとんどがMBTI診断をしており、そのタイプが何かを自己紹介に交えたりする。こういう性格区分テストは定期的に流行るが、自分の見てきた中ではMBTIは一番浸透していると思う。年齢と血液型の横にMBTI診断を添える。しかしその理由も分かって、割とこの診断が自分のことを表現できているのだ。
タイプは「INFJ」のような4文字で表現される。例えば先頭は内向型(Internal)か外交型(External)かでIかEになる。この内向/外交型の分類はかなり使える。エネルギーが内側にいくか外側にいくかは性格をかなり分けるし、血液型よりも友人に知ってもらっておくべき性質だと思う。
自分はIで始まる内向型で、自分でもそうだなと思う。人見知りで場になれるまで声を発せられないし。でも人と話すのも好きで、外部の勉強会などで会った人からは外交的だと思われているかもしれない。自分が本当に心地よいのはどっちか、MBTIを通じて向き合う機会があるのは素晴らしい。
社会人になるまでは外交型のタイプがとても有利だと感じていた。人と仲良くなりやすく、人の繋がりで何かのハードルを下げたりしているのを羨ましく思っていた。でも社会に出ると意外と個人戦の場面も多い(エンジニアは特に)。そうなると社交の場よりも自分の仕事に向き合う時間が大事になる。今何をすべきか、どの情報をチームに伝えておくべきか。そういった仕事は内向的な人の方が上手い傾向があり、よく考えているので後半で有利になることも多い。でも飲み会とかに行くとうまく喋れず落ち込むこともやっぱりある。結局はどのタイプも自分の得意な場を探し、そこで頑張るというシンプルなことかもしれない。