先の方まで予定が決まってると嫌になる

2025/07/23

昔からカレンダーの先の方まで予定が入っていると嫌になる。久しぶりに友人に会うとか、その予定自体は楽しみなものでもなんだか億劫になる。予定をしっかり詰めるよりも当日ふらっと誘い合わせるくらいがちょうどよい。しかし年齢があがって家庭や子供をもつ友人が多くなり、突発的な飲み会などはまったくなくなった。そして予定を入れることも少なくなった。そもそも会わない。半年に一回くらい会うと話すことが色々あってめちゃ楽しい。予定の絶対数が減っているの普段も気持ちも軽く過ごせている。

8月に技術イベントで発表することになり、久しぶりに昔の感覚が蘇った。その日までに資料の準備や発表練習などをしないといけない。スライドを作るのは苦手ではないしむしろ楽しい。発表も楽しい。それなのに億劫な気持ちが常にある。でも学生時代のテスト勉強のように、期限があることで速度感を出す効果もあると思う。いつも締切に追われてるとしんどいけどたまになら良い。そのイベントが終わったら開放感に満ち、なんでも好きにできる気分になる。制約があるから自由を感じられる。常に自由ならそれはルールなしの無法地帯である。

美術館に行くとか、一人で行く予定には億劫さは感じない。そう考えると嫌なのは予定を忘れてはいけないストレスとか、日程が近づいてきたら風邪引いちゃいけないとか、そういう予定にまつわる諸注意をケアするのが苦手なのかもしれない。友人なので連絡すればいいけど、体調が微妙なときに頑張っていくかとかを考えるのは面倒くさい。でもこのあたりも大人になってきて、体調が万全じゃないから家で会うとか、そういう柔軟さが少しずつ身についてきている。この辺りは一度仕事を休職していた期間が活きている。病気になって良いことはないが、唯一良いのは同じ境遇の人の気持ちをわかる糸口になること。無理する必要はまったくない。わがままを言い合うのも、友人関係においては大事なこと。


情報じゃなく経験をアウトプットする

2025/07/22

検索すれば情報が手に入り、AIで好きな形に変形できる世の中で何を書くか。情報を書くのは自分でも他人でも変わらない。そうではなく実際に手を動かして経験し、学んだことをアウトプットする。触ってみて何を感じたか?経験は常にユニークになる。

実際は情報にも価値がある場合もある。それはいち早く日本語でまとめて出したとか、その分野に詳しい人が大事なポイントをまとめてるとか、そういう場合には読み手にとって有用になる。しかしそれは大抵スピード勝負になるため忙しい。経験であれば世間から出遅れていてもいい。少し遅れたタイミングで触って思ったこと、という経験として十分意味がある。

同じ技術でも人によって感じ方、活用方法はまるで違い。ある人にとって救いとなる技術が、ある人には自分の仕事が奪われる脅威となるかもしれない。その自分の感じ方をただシェアする。いろんな人がアウトプットしているものを総合することで多角的に物事を捉えることができる。

インターネットの好きな点のひとつが共有のハードルがとても低いこと。デマの拡散など負の側面もあるが、それは自身の体験ではなく伝聞した情報をアウトプットして問題になっている場合が多い。自分の体験を話すことは常に一次情報。そういう体験記がこれからさらに重要になってくると思う。


参院選2025

2025/07/21

与党が大幅に席数を減らして過半数割れ。野党、特に新興政党が大きく票を伸ばす形となった。ここ数年は選挙関連のエッセイや友人のPodcastを聴いて選挙脳が育まれており、投票前には自分の大事にしていることが合致している政党を探してみたりしている。

新聞社などが提供しているボートマッチも試した。いくつかの質問に答えると自分の志向と合致した政党が並べられるというものだが、設問自体が大きいので細かい部分までは見えなかった。今回の論点とされた物価高対策も、給付金や減税、控除額の引き上げなどいろんな方法があり、どれが良いか素人が判断するのはとても難しい。SNSや党首討論を見たがどの説もそれなりに効果があるように思える。

友人が言っていた「与党は実績で勝負すべき」という言葉が印象的だ。野党はこれから何を為すかを言うが、与党は今までだってできたはず。それをやらずに選挙前に気前の良い施作を出してくるのは違うという意見。確かに仕事でもこれから入社するメンバーは夢を語るのでいいが、2年くらい働いてもまだ夢だけ語っているともう誰も相手にしてくれない。その2年でどれだけのことができて、それが今後どう繋がっていくかを話す必要がある。

政局にはまったく興味がないので政策が実現して少しずつ世の中が良い方向に変化するとうれしい。少数与党となり今後いろいろ動きが出る。そういうニュースを見て勉強の機会としたい。


「運用コスト」の意味合いが変わるかもしれない

2025/07/20

「運用コスト」は動かし続けるために必要な作業やお金のこと。例えばWebサイトであればサーバー代、セキュリティ対応の修正、不具合修正などが挙げられる。安く作れてもその後の運用が大変ならトータルでは損になる。そういう場合は「運用コストが高すぎる」、つまり筋の良くない方法とされる。

Webサービスを作るとき、周辺にいろいろな作業が発生する。サービスの仕様をまとめたドキュメントを書く、新しい機能についてブログで書く、更新情報をメールで送るなど。こういったシステムは自分たちで作ることもできるが、自作のものが増えると管理のコストが高くなりすぎてしまう。例えば何かのセキュリティ問題が発生したとき、10つのシステムすべてでその対応をしているとそれで1日が終わってしまい、本来やりたいはずのWebサービスの改善が進まない。なのでブログは外部のブログサービスに任せるという判断になる。ブログサービスは共通のシステムの上でいろんな会社のブログが運用されているので、セキュリティ対応を一回やればすべてのブログが安全な状態になる。こうして手間を減らすことに私たちはお金を払っている。

さて、最近はAIが活発でどんどん出来ることが増えている。そうなるとシステムを作ったり保守することが簡単になり、自作システムを持つハードルは下がる。上で述べたセキュリティ対応、今までは1日かかってたのが10分でできるようになる。そうなるとまたバランスが変わってくるのではないか。元々自作の良さは柔軟性にあり、既存のブログサービスを使うよりも自社で作ったものの方が連携や使い勝手の面で便利になりやすい。

運用コストが指す意味合いも変わりそうだ。これまではシステムの保守コストを指すことが多かったが、これからはコンテンツの作成コストも測られるようになる。ブログの文章や更新情報メールの下書きはもう十分AIで書ける時代だ。そうなるとAIがコンテンツ作りに参画しやすいような仕組みが「運用コストが低い」と評価されるようになる。人間が書くほうがクオリティが高い状況はしばらくは続くだろう。しかしAIは24時間休まずに働き続けられ、並列で複数の作業も可能。人間が100点の原稿を1本書いてるうちに、AIは80点の原稿を100本作れてしまう。しかもAIはどんどん賢くなる。どちらが優位になるかは想像に難くない。


人の話を聞く方法

2025/07/19

新卒で入った会社では若手が新卒採用のリクルーターをやることが多く、その前にはリクルーター研修というものを受けていた。外部から人材マネージメントのエキスパートなる人を呼んで会議室でワークショップをする。2時間ほどレッスンした後、講師の人は「結局『私はあなたの話を聞きたいです』という姿勢を示すことが大事」と言って締めていた。

オープンクエスチョンで会話を広げる、最初はYes/Noで答えられる質問にして安心感を醸成するなど細かいテクニックはいろいろあるが、結局信頼は自分とその人の時間への向き合い方によって作られる。悪い例だと1on1で部下の話を聞く時にパソコンを見ながら作業片手間にやってる場合、この上司に心から話したいことは相談できない。仕事じゃなくてプライベートでも同じ。友人や家族と真剣な話をするときはスマホは見てはいけない。

全身全霊をもって相手に注意を払う。話したいことは何なのか、次に続く言葉は何なのか、どういう感情でそれを口にしているのか?相手の話の途中で遮ってはいけない。すべてを話してもらって受け止める。相手の話を加速させるための相槌や質問なら良い。自分の話を挟むのは最悪で、否定でもアドバイスでも等しく相手の言葉の流れを堰き止めてしまう結果になる。

大体の場合においてアドバイスできることなどない。そうではなくいったんすべてを聞くことが大事。解決策がなくてもいい。すべて吐き出すことで問題が言語化されて楽になる、それだけで十分。自分の知見や経験を話すのはすべて聞いた後が良い。自分のことを全て話せた相談者は気持ちが楽になり、最後まで本気で聞いてくれた相手への信頼関係が生まれている。この状態なら出てくるアドバイスを受け入れる余白ができている。「こうしたらいいよ」という情報自体はネット上に溢れている。大事なのはそういう汎用的なものではなく、自分が話して相手が聞いた、つまり2人で集中して時間を過ごしたという個人的な経験である。そういう時間の積み重ねで信頼関係が大きくなる。より相手に本音を喋れるようになっていく。全員にこれをするのは難しいが、大切な家族や友人にはこの姿勢で向き合いたい。