負の感情があってもよい
ルサンチマンという言葉がある。弱者が強者に対して強い嫉妬、劣等感、怨恨などを抱いた心理状態のこと。「前向きに生きよう」「人と比べるのはやめよう」などのメッセージを受け取っているとルサンチマン自体がよくないことに思えるが、人間をやっていれば負の感情を抱くタイミングがあるのは避けられない。感情が湧き上がるのを止めることはできない。人ができるのはその感情をどの向きのエネルギーにするかの部分だけである。
自分は負けず嫌いなところがあり、勝負事などで負けると大変悔しい。そこでイライラを相手にぶつけると喧嘩になるが、「次は絶対勝ってやる」と悔しい気持ちをバネにできれば練習が加速する。社会人になりたての頃、同期や友人など親しい間柄の人にはみなパートナーがいた。羨ましく思うこともあったが、「すべての時間を勉強に注いでエンジニアとして成長してやる」という前向きの力として働いた。満たされた状態はもちろん幸せだが、何かが不足していると感じる時もまた成長の追い風となる。
どんな状況でも前向きのエネルギーにできるかは正直わからない。今のところ家族や親しい友人は健康でいつでも会える。今後大きく状況が変わったときにどこまで感情の発露をコントロールできるか分からないが、少なくとも「どんな状況でも前向きなエネルギーに変換できる」と信じている方が救いはある。疲れ果てたときは休めばいい。無理せず全力で休んで、ちょっとだけ回復したときに「さぁこの経験から何を学べるか」と小さく思えればよい。
家事を省エネ化する
掃除、料理、買い物など家の用事をしていると一日があっという間に終わる。個人開発の時間を思ったように取れておらず、これではイカンということで時間の見直しを行なった。
全部を楽にするのは難しい。インパクトが大きいものからということで、頻度が高い「料理」と「皿洗い」を省エネ化する。料理はホットクックを使い時短する。食材を切って入れる必要はあるが、その後炒めたり調味料を入れたりする工程をスキップできるのでありがたい。皿洗いは自動食洗機を使う。今の家には備え付けられているけどなぜか最近使っていなかったので再稼働。できるだけ食洗機に対応した食器を使い、手動での洗い物を最低限にする。これまでは昼と夜の2回献立を考えて作っていた。調理だけでなく何を作るか考える部分も時間がかかる。夜に多めに作っておき、翌日昼はその残り物を食べる運用にする。
料理するエネルギーがない時のために冷凍食品などすぐ作れるものを常備しておく。Oisixなどの宅配食材もアリだが少し値段が高いのと、冷蔵庫や冷凍庫を圧迫するのでいったんやめておく。冷凍弁当のナッシュを以前注文していたが飽きて2ヵ月ほどでやめてしまった。料理のバリエーションは多いが味付けのベースが近いので飽きてしまう。調理前後の時間を節約できるメリットはあったのでどこかでうまく活用したい。
増える家事にそのまま対応して忙しくなってしまっていた。ルーティンワークは自動化して楽をするのがエンジニアの発想。ロボット掃除機や食洗機など、使える文明の利器はフルに活用して余白を作りたい。
Smart Band 9を買った
「Xiaomi Smart Band 9」を買った。スマートウォッチのひとつだがApple Watchに比べると画面が小さく、値段も5,500円と良心的。歩数計、心拍、ワークアウトの記録など必要な機能は揃っている。Smart Band 6のタイミングでデビューしてから気に入って着けており、古くなってきたので新しく出ていたものに買い替えた。
散歩の歩数計測、水泳のワークアウト記録なども便利だが、地味に一番使うのがアラーム機能。Smart Bandでは指定した時間に振動で起こしてくれる。体を揺らされると人は起きる。目覚ましのやかましい音で起きるよりも気持ちよく起きれるし、最近はiPhoneを寝室に持ち込まない生活をしているのでその点でも便利。あとは瞑想する時に3分タイマーとして使ったり、ちょっとした場面で役に立つ。Apple Watchを着けていた頃は傷がつかないように、失くさないようにと気を付けていたがこれは安価なので適当に扱える。買い替え前のモデルよりも液晶がコンパクトになったのも嬉しい。見るのは時計くらいだし、小さくてシンプルなほど良い。
Smart Bandはかなり売れているらしい。以前飲み会に参加したとき、そのテーブルにいる6人中4人がこのウォッチを着けていた。話を聞いてみるとサウナにも持ち込めるらしく、サウナ好きはよく持っているとのこと。自分はサウナは行かないがプールやお風呂もずっと着けっぱなしで過ごしている。それでも本体は傷もなくずっと動いているのでかなり丈夫だと思う(ゴムのベルト部分はそこそこ切れる)。
ひとつだけ不満があるとすれば文字盤のスタイルに満足いくものが無い。ユーザーが作成して登録できるようだが、ゴツゴツしたガジェット感溢れるものが主流でシンプルなものがほとんどない。アナログ時計に今日の日付、歩数が出ていればそれで良いのだが・・。睡眠スコアも一応出してくれる。連携アプリも使いやすいし、この値段にしてはかなり良い製品だと思う。体調や睡眠の計測、ワークアウトを記録したいけどApple Watchは高すぎるという方にはおすすめです。
スマホと物理的に距離を置く
最近またスマホをだらだらと観る時間が増えてきている。Xのアプリを消して通知はすべてオフ。自分で意識したタイミングだけ見るようにしていたが、それでも見続けてしまう。気軽に初めてどっぷりハマって抜け出せない。スマホは現代の麻薬である。
手元のデバイスでインターネットにアクセスできるのは本来は素晴らしい。冷蔵庫にある食材でレシピを調べたり、初めて行く街のお店を探したり、いつでも天気を確認できたり。昨年から水泳に行き始めたが、泳ぎ方や意識するポイントはYouTube動画で学ばせてもらった。知識豊富なインターネットはうまく使えば知の高速道路になる。問題は必要な便利さを超えた情報が提供され、SNSや動画コンテンツに時間がいくらでも溶けてしまう点にある。
スマホとよく付き合うためには、時間を決めてスマホを使うなど自分でコントロールすることが必要だがこの難易度は超高い。スキマ時間に即効で気分を上げてくれるものがそこにあると分かっているのに我慢できない。朝早く起きても気づいたらスマホを見て1時間くらい経っているし、夜早く寝るつもりが寝付きが悪くなってしまう。
対策を考えてみる。スマホに気軽にアクセスできるところに問題がある。寝る時は別の部屋で充電しておく、仕事中も別の部屋に離して置いておく。本当に必要なら部屋を移動して取りに行けばいい。スマホが視界に入っているだけで集中力の20-40%が取られるという研究結果もある。厳密に考えると災害発生時などはスマホが手元にあった方がよいので難しいところだが、今時点では集中力を取り戻すことを最重視して目をつむりたい。漫画や将棋などのエンターテイメントのアプリはスマホから削除し、iPadだけに入れておく。iPadはスマホに比べると「さぁ使うぞ」という気持ちのハードルが高い。スマホに入ってるアプリは極力制限し、時間のコントロールを自分の手に取り戻したい。
「本を出したい」を読んだ
「本を出したい」を読んだ。本が出版されるまでの流れ、企画書の作り方、本を出したい人がどうすれば良いかをまとめた一冊。ネットには意外とこういう情報がないので体系的にまとまっていて面白い。自分もZINEを作ったり(超簡単なもの)、この日記を本の形にしようと考えたことがあったので興味があって読んだ。
まず、本の出し方として大きく2パターンある。ひとつは著者のネームバリューで出すもの、もうひとつはテーマ先行で決まるもの。前者は何かで有名になった人が出すものなので対象外。後者のテーマ軸のものは、まず面白そうなテーマが決まり、次にそのテーマで書けそうな人が探される。そのテーマでネットを調べた時に自分の名前が出てくるようになっているとチャンスがある。Xでもnoteでも自分のホームページでも媒体はなんでも良い。「そのテーマに通じている人」という印象を与えられると声をかけられる可能性が上がる。
良い文章を書くポイント。読んだ人が著者の見聞きしたものを追体験できるように書くこと。景色や様子などを細かく伝えられると読書体験が豊かさになる。そのためのコツとしては「登場人物が見た順に文章を並べる」こと。理路整然と並べるのではなく、目にした順序で物事を描くことで臨場感が出る。
全編通して感じたのは本を書くこともまた課題解決であること。誰か困ってる人がいて、それを解決する手段を提示することで本を買ってもらう。課題がないところに本を書いても売れないし、解決策がその人オリジナル過ぎても手に取られない。みんなが抱えているモヤモヤを、誰でもできそうな方法で解決すると価値が生まれる。この図式はWebサービスを作るときと同じだ。「本を出したい」という気持ちはあったが、これまでその大きなモチベーションは自分の表現をすることにあった気がする。そうではなく、誰かの課題を解決する方向でテーマを絞る方が出版には近いのかもしれない。本書の中で「生き方」のような漠然としたテーマの本は「巨匠タイトル」と呼ばれている。誰が言うかが重要で、そのため新人が手を出すジャンルではないとのこと。このブログは好きなことを自由気ままに書き散らかしている。本ではなく自分の発散場所としては巨匠タイトルでも良いとは思いたい。