自分がなれない姿に憧れる
2025/09/02
「アンビシャス 北海道にボールパークを創った男たち」を読んでいる。鈴木忠平さんの本は「いまだ成らず」「嫌われた監督」に次いで3冊目。この方の文章はハズレなし。今回もプロローグの数ページを読んだだけで一気に引き込まれてしまった。
テーマは日本ハムファイターズの本拠地移転。球団、オーナー企業、役所、etc... この大事業に関わった人たちに焦点を当てる。個人的には野球にほとんど興味がなく、プロ野球もメジャーリーグも見ずに生きてきたが、それでもこの本は面白い。北海道に行ったらボールパークに行ってみたいとも思っている。野球がテーマではあるが、調整の進め方や熱意を持った提案など自分の仕事に通ずるものもある。
昔ヤフーの社長と話したとき「大きなことを成し遂げたいなら他人を動かす力を、自分のサービスを作りたいなら技術力を身につけたらいい」と言われたことを思い出す。その時は自分のサービスですかぇと曖昧な返事をしたが、アンビシャスに出てくる人たちは前者に近い。球団や市役所などで成果を挙げ、責任あるポジションに着いた人たちが大きな構想を実現させていく。これは個人開発では到底辿り着けない領域。尊敬しかない。
人は自分にできないことに憧れる。「こうはなれないな」と思ってリスペクトする。でもそれは人それぞれの生き様で、隣の芝は青いに他ならない。自分は自分の道を突き詰めていくことしかできない。自分の好きなこと、熱中できることを見つけて取り組む。それはこの本の登場人物も我々も変わらないはず。