夜に考えすぎない

2025/03/12

仕事や生活をしていると不安なことも多々あるが、夜に考えすぎて良い結論が出たことはない気がする。一日活動して脳が疲れており身体的にも休息のパターンに入っている。そんな状況で難しい課題を考えてもなかなか解決策は生まれない。

モヤモヤを早く解決したい気持ちもあるが、それはグッとこらえて明日の自分に期待してすぐに寝るようにする。翌朝起きてスッキリした頭で考えると閃くことが多い。俯瞰してみるとこう思えるが、厄介なのは夜のその時点ではまだまだ脳は冴えてると自分では思いこんでしまうこと。「夜に考えすぎない」というフレーズを自分の胸に置いておき、そういう場面になったときに軽やかに思考を止めて寝られるように意識したい。

反対に、夜に思いついたアイデアを翌朝見返すと微妙なこともよくある。夜中のテンションではいろいろなことが面白く感じられる。考える分には楽しいので良いかもしれないが、冴えた発想が出るのはやはり朝。最近はあたたかくなり散歩にも出やすくなった。朝早く起きて朝食を食べる前に20分ほど体を動かす。太陽の光を浴びて体内時計をリセットする。良いリズムは朝の過ごし方から生まれる。夜は早く寝て朝に動く、このシンプルなサイクルを回していく。


AI時代とパーソナライズ

2025/03/11

例えばカフェの特集記事を書くとして、それは対象読者が一定数いると考えられる場合にGOが出る。観光客がほとんど来ない田舎町で「朝食セットがあってトーストが美味しい車なしで行ける店」特集は誰も読み手がいないので商業的に作る価値が低い。これは記事を書く人手のコストとビジネス的な価値のバランスを考えて判断される。

AIの特徴のひとつにコストが限りなく低いというのがある。例えばChatGPTが最近出したDeepResearchという機能を使うと業界の比較や分析をした詳細なレポートを10分ほどで作ってくれる。テキストから画像を作ったり、写真から動画を作ったりとフォーマットの変換も得意。人がやると大変に時間がかかる仕事を低コストで実現できる。そうなるとコストを無視できるのでニッチな要望にも応えやすくなる。

例えば知らない駅で降りて、その街で行くべき写真スポットを探すとする。メジャーでない駅でそんな情報をまとめている人はなかなかいない。しかしAIアシスタントにそれをお願いするとそのエリアで撮られた写真をピックアップし、構図や鮮やかさなど依頼者の好きそうな雰囲気でフィルターし、出揃った情報をマップに表示して教えてくれる。インターネットサービスの勝ち筋のひとつにユーザーごとに出す内容をパーソナライズすることがあるが、AI時代は一人ずつに出すものを変える究極のパーソナライズ体験を提供できる。

自分の情報をAIに与えるのは最初は怖いが、素晴らしい体験にはブレーキが緩むのも人の性質。カレンダーや位置情報、過去に観たりお気に入り登録したコンテンツなど自分の特性を表すものをインプットして自分なりのAIを育て始めると予想される。いる場所やその日の感情、ユーザーの芯に迫る情報を各社が競って集め出す。


知ったかぶりとカマトトぶり

2025/03/10

自信は良いが傲慢はきつい。謙虚は良いが卑屈は辛い。優しくあろうとすると他人をあげて自分を下げてしまうが、まず自分を愛せないことには周囲に優しくし続けることは難しい。

知ったかぶりは自分を大きく見せようとする時にしてしまう行為。何も知らない奴と思われたくないという防衛本能が嘘をつかせる。すべてを知っている人はいないし、知識なんて分かったようで分かっていないようなものなので何度でも聞いていい。チームに新しいメンバーが入ったとき、色々質問してくれると各メンバーの知識共有が活性化されてチームとして強くなる現象がある。そんなようなもので、いつになっても初心者の質問はしても良い。

カマトトぶるは知ったかぶりの逆バージョン。元々は女性を指す表現らしい。相手が熱を込めて喋っているとき、その話題を知っているのに知らない雰囲気で聞いてしまう時がある。仕事では非効率かもしれないが、プライベートな話においてカマトトぶるのは相手の考えをすべて聞けるという意味で有効に思う。会話は二人かそれ以上の複数名で行うもの。こちらの相槌によって話が広がったり味気ないものになったりする。相手の話に乗るのも静かに聞くのもどちらも良い。話している相手に全身で注意を傾ける、そんな聞き方をしたい。


「確率思考の戦略論」を読んだ

2025/03/09

確率思考の戦略論」を読んだ。USJ、西武遊園地、ネスタリゾート、最近ではジャングリア沖縄を手がける森岡さんの本。マーケティングに興味がありたまに本を読むが森岡さんとN1マーケティングでお馴染み西口さんの本にはハズレなし。

私たちが何かを買おうとするときの思考パターンには型がある。その商品のカテゴリ(例えばヒゲ剃り)を買おうとしたとき、知名度に頼ったり事前に情報を仕入れたりするが、最終的にはサイコロを振って出た目によりどれを買うかを決める。このランダム性があるので100%自分の商品を選んでもらうことはできない。できるだけ高確率で選んでもらうにはサイコロの多くの面に自分の商品のラベルを貼ること。十面ダイスのうち7つの面に記載されていれば選ばれやすい。この多くの面を取ることがマーケティングの本質的な仕事になる。

多くの面を取るにはユーザーに憑依し、「本能にぶっ刺す」コンセプトを作ること。ユーザーの本能を体験するために森岡さんは猟師になったりスマホゲームに数百万円を重課金したりする。ユーザーの本能が求めているものが分かれば何を訴求すべきかが分かる。訴求すべき点が分かればアプローチの方法を探せる。丸亀製麺のマーケティングを引き受けた時、市場調査でうどんには「尽くされる安心感」というイメージが付与されていることに気づく。これはそばやラーメンの調査では出て来ずユニーク。では丸亀の中でこのポイントを訴求できる点はあるのかを探す。そして「すべての店が各店舗でうどんを打っている」事実を知り、そこを軸に展開して見事成功。手先のテクニックやトレンドに従うのではなく本質的な価値から施策に繋げる大事さが多くの実例とともに紹介されている。

本筋とはズレるが個人的に面白かったのが「自社製品を安く買えるような福利厚生はやめろ」というもの。自社製品を大幅にディスカウントして手に入れてしまうとユーザーの気持ちになれない。高級レストランに自分のお金で行くからこそサービスに求めるものを知覚できる。福利厚生でそれを奪ってしまうのは本末転倒であり、高額で手が出しにくいのであれば給与を高く設定すれば良いだけという主張。自社で開発しているサービスでも自分で課金して使っている人はどれくらいいるのか?憑依の話といい、ユーザーの目線になりきることからマーケティングは始まる。


恋愛リアリティーショーがおもしろい

2025/03/08

かつてバチェラーの盛り上がりに対して斜に構えていた自分も気づけばその道にハマり、バチェラーはもちろんLOVE TRANSIT、ボーイフレンド、LOVE POWER KINGDOM、今日好き、オフラインラブなど様々な作品を楽しく見るようになった。綺麗な景色、続きが気になる演出、人間関係の移り変わり。どの番組もコアとなる要素は似ているもののどれも面白く、エンターテイメントとしてひとつのジャンルを確立している。

「今日好き」は高校生が2泊3日で恋人を作りに行く番組。Abemaの人気番組で4月から月9の枠に移動する。アーカイブを見ているとどれも100万再生を超えており、注目の回は200万再生に至ることもある。Abemaで自分が一番好きなのはラッパーのオーディション番組「ラップスタア」だが、これは人気の回でも20万再生と一桁違う。ラップスタアの番組の素晴らしさを知っているので納得いかない気持ちもあるが、恋愛リアリティーショーというジャンルの強さが窺える。

個人的には番組そのものに加えて、視聴後に友人とあーだこーだ感想を話すのが面白い(Podcastでよく特集をしている)。Xを見ても感想のコメントは非常に多く、クチコミが重要な現代にとてもマッチした形態になっている。インターネットが流行してデマも増え、何を信じれば良いか難しい時代になってきた。人々が求めるのはリアルで、リアリティーショーはそれに近いものを提供してくれる。逆にフィクションのドラマはあまり観なくなった。よっぽど完成度の高い作品は別として、設定が甘かったりすると作り物感を感じて興味を失ってしまう。ドラマなら地面師たちのような実話に基づくもの、あるいは逆にSFに振った想像力を膨らますものに食指が動く。

今はNetflixのオフラインラブを観ている。スタジオMCが令和ロマンだが、くるまの人間観察力が際立っていてとても面白い。いじったり無理やり角度をつけるのではなく、その人を深く観察することで一人ずつの輪郭を浮かび上がらせている。とても面白いので興味のある方はぜひ観てください。