ゲームの思い出

2025/09/25

少し前、Xを開くとトレンドに「ファイアーエムブレム」の文字があった。Nintendoの新作ゲームとして発表されたらしい。ファイアーエムブレムは子供の頃に特に好きだったゲームのひとつだ。

やっていたのは「聖戦の系譜」で、ハードはスーパーファミコン。自分がやるのも楽しかったけど兄が上手くプレイするのをよく見ていた。守備力の高いユニットを橋に配置して敵のターンをやり過ごすとか、魔法は近接でも遠距離でも攻撃できるとか、物語後半になるとドラゴンやペガサスが仲間になるとか興奮する要素がたくさんあった。特に聖戦の系譜は二部制になっていて親から子へと世代が受け継がれる。ユニット同士が近くにいると親密度があがり、それによりカップルが変わるという画期的なシステムになっていた。当時はネットもなかったので攻略本を握りしめ、誰と誰が仲良くなると後世が強いなどと何度も調べていた。

小学生の頃だったのでゲームをやるのはもっぱら放課後か夜だったが、たまに両親が早く家を出る日があった。そんなときは朝食をマッハで食べて兄と部屋にあがり、学校の登校時間までの数分だけでもプレイしていた。数分じゃ全然遊べないけどそれでも楽しかった。兄と違って自分はゲームがあまり得意ではなく、キャラクターが戦いに負けて死ぬと二度と復活できないのを知らずに序盤で主要なキャラクターを失ったりしていた。少しゲームを進めたあたりでそれを知り、悲しすぎてまた最初から始めた。

社会人になってからはゲームから離れてたけど、ある時懐かしくなって最新ソフトの「風花雪月」を遊んだ。久しぶりのファイアーエムブレムで心から楽しみにして始めたが、キャラクターのセリフが読み上げられるのが苦手ですぐに辞めてしまった。ストーリーよりもマップをユニットが動く漢字とか、反撃をくらわないように遠距離から攻撃するとか、そういうゲーム部分が好きだったので自分の好みから外れてしまっている。セリフが声優さんの声で読み上げられるのが昔からあまり好きではなく、お気に入りの漫画のアニメ版は見たくないというのに近しいものがある。キャラクターの声は自分の中でイメージがあり、それを影響されたくない。


ずっと頭を抱えて迷ってるくらいなら

2025/09/24

作りたいアプリのアイデアがあって悩んでいる。ここ数日似たようなアプリを調べはじめた。AppStoreを眺めたり検索してみたりして、似たようなコンセプトのものがすでにあったけどそれでも作りたい。仕事でやるなら市場規模とか、競合との差が何かとかを真剣に考えないといけない。でも趣味なら別にまったく同じものを作ってもいい。作る最中が楽しいから。

しかし最近はリリース済みのタスク管理サービスの改善を頑張っている。サービスを伸ばすのはリリースしてからの方が大変。開発と広報の両方をやらないといけないから。そして良い機能を作れたら広報にレバレッジが効く。新しい機能がワクワクするものであれば広報にかけた労力は何倍にもなって返ってくる。

「選択と集中」という言葉はズルいと前職の先輩が昔言っていた。それは「集中」して「選択」するから実質同じことを言っている、と。正しくは「選択と取捨」とすべきで、何かを選ぶなら何かを捨てるのが真のフォーカスということだった。いろいろ考えると今フォーカスすべきはタスク管理サービスなことは間違いない。そうなると今作りたいアイデアはすべて温存してないといけないのかな?起業したてのスタートアップの社長がいきなり副業を始めたら確かに社員は不安になりそうだ。自分は起業とかではないけど、どういう立ち位置?こんな感じがグルグルと頭の中を回っているのが最近。

急にアプリを作りたくなった理由はシンプルで、新しいiPhoneを買ったからである。iPhone 17 Pro。昔モバイルアプリ開発をしていたので、今AIを使うとそれがどれだけ楽になってるか試したいという気持ちもある。ずっと頭を抱えて迷ってるくらいならサッと作ってみればいいのかもしれない。でもそうやって作ってると持ち物が多くなって動きづらくなるし…などとまた考えはじめてしまう。

寄り道した方が結局目的地に近いなんてことがあるんだろうか?というかそもそも目的地があるんだろうか?道を行くことそのものが目的なら、寄り道を楽しむことはむしろ素晴らしいことのようにも思える。


「つまり”生きづらい”ってなんなのさ?」を読んだ

2025/09/23

昨日から体が熱い。熱を測ったら微熱だったけど手のひらや足裏が熱い気がする。調べてみるとストレスや自律神経の影響が考えられるとあり、この2つは大体どんな症状を調べても出てくるな。涼しくなってきたので今日はどこか出かけようと思っていたが断念して自宅で過ごす。夕方の明るい時間からぬるめのお風呂に入る予定。

つまり”生きづらい”ってなんなのさ?」を読んだ。「生きづらさ」をテーマに著者の桜林さんが5人の専門家の方と対談したものを記録した本。友人のPodcastでタイトルが出てきて気になって購入したが面白かった。

ひとことに生きづらいといっても色んな生きづらさがある。学校や会社に馴染めなくて生きづらい人もいれば、そこに合わせるのが上手すぎて自分を歪めてしまい生きづらい人もいる。なので「生きづらい」人たちで集まっても事情がみんな違うので解決に繋がることは少ない。自分は何を辛く思ってるのだろうか?

特に印象深かった一節を紹介。

お金がない、時間がない、理想の体型ではない。単体で考えているうちは解決法がたくさんあるのだけれど、組み合わせて複雑にしてしまっているところから”生きづらさ”が始まっている感じがします。他の正社員の人はボーナスがあるのに非正規雇用の自分にはないとか、あのアイドルのような体形ではないとか。「他人との比較から生まれる自分の欠乏感」と「リアルな困りごと」は分けられるはずなのに、ごっちゃにしている問題がある。

「お金がない」なら解決策がある。「時間がない」にも。でも「あの人に比べて...」と言い出すと問題は急に複雑になってしまう。現代はSNSで他の人の言動がどうしても目についてしまう。その人と比べて自分はどうとか考えると詰んでいく。純粋に自分がどうしたいか、自分の優先順位に従って行動できたらよい。

あとは本題とはちょっとズレるが「クズキャラ」について。「これは間違ってますか?」「こういう考え方は正しいでしょうか?」と今はみんなが尋ね合う。正解しないとヤバイという感覚があり、その反動でクズキャラが生まれているのではないかという指摘があり面白かった。お笑い芸人でもそうだが会社でも、ちょっと抜けた人が一人いるだけで場が和らぐというか素直になれる気がする。仕事のできる超エリートより、理由はないけどなんとなく飲み会に呼ばれる人の方が自分は好きだ。


秋 到来

2025/09/22

パソコンのOSをあげてmacOS Tahoe(タホ)にした。デザインがアップデートされ、角丸が強くなったりアイコンが可愛くなったりポップさが増した印象。iPhoneアプリ開発を久しぶりにやりたいと思っていてXcode 26をインストールする。アプリ開発は10年ちょっとやっていたのでXcodeを開くとホームに戻ってきた気分になる。

ここ数日で一気に涼しくなったのが嬉しく、用事がなくても外に出て散歩している。夕方頃歩いてると風が心地よくて「秋やな」と毎回言ってしまう。暑さが大変苦手なのでついにこの時期が来たかという感じ。散歩道の途中にガラス張りのコンサートホールがあり、そこで大学生くらいの男女たちがダンスを練習していた。自分たちの姿がガラスに反射して練習しやすいのだろう。こういう何かの練習風景を眺めるのはとても好き。東京に住んでた頃は世田谷公園で少年野球をよく見ていた。いつまでも見ていれそうだったがこちらの存在に気づかれると気まずいので帰宅。

夜ご飯を食べた後は東海オンエアが北海道を旅行するYouTube動画をゴロゴロ観る。友達同士で楽しく旅行しているという感じでとても見やすい。昔の水曜どうでしょうの雰囲気に近く、今の学生たちはこういうYouTubeを見て旅行に行くのかもしれない。大学の頃に水曜どうでしょうが好きな友人がいて、アメリカをレンタカーで横断したり四国を原付で一周したりした。お金が全然ないギリギリの旅行だったが記憶には強烈にこびりついている。今では時間や体力がなくてもうできない。お金・時間・体力のすべて揃うタイミングなんてほぼないのでやりたい時に動くしかないんだろうな。


「イン・ザ・メガチャーチ」を読んだ

2025/09/21

朝井リョウさんの新刊「イン・ザ・メガチャーチ」を読んだ。帯にある「神がいないこの国で人を操るには、“物語”を使うのが一番いいんですよ」この言葉に惹かれて本屋で購入。寝る前に少しずつ読もうと思っていたが面白すぎて一気に読んでしまった。

小説のテーマとしては「物語」「ファンダム経済」「視野」などが中心で、3人の人物の目線でストーリーが進行して交わっていく。ファンダム経済という言葉は初めて聞いたが、ググったところ「熱狂的なファンの集まりが生み出す新しい経済圏」らしい。推し活とか投げ銭とか、そのあたりの世界を括るとファンダム経済となる。

ストーリー全体もすこぶる面白いが細部の描写がグサグサ刺さる。「MBTI診断」「アイドルオーディション番組」「陰謀論」「多様性」「仕事とケア」など、ここ数年で盛り上がったテーマが解像度高く描かれている。一人の人間として生きながらこんなに複数の人格の詳細を表現できるものかと驚かされる。物語を使って商品を売り込む人、それに共感させられハマらされる人。どちらにも言い分があり正義がある。

特に心震えたシーンを書いておく。更衣室での会話と友達を心配して駆けつける場面。全体通じて面白いが特にここは次のページをめくらざるをえない吸着力があった。朝井リョウさんの書く緊迫したシーンは本当に面白いです。

これまでの朝井さん作品で一番好きなのは「正欲」でしたが本作はそれと同じくらい興奮がありました。どちらも価値観ひっくり返る系の内容で、自分の信じていたものがグラグラ揺れる体験は読書の醍醐味といってもよさそうです。何でも信じれる時代、何を選んでも良いけどすべてを注ぎにくい時代。時間がたって読み返すとまた違った味わいがありそうな良い小説でした。