ブランディングの正体

2025/01/02

ブランディングの誤解」を読んだ。N1マーケティングでお馴染みの西口さんの新書。西口さんと元USJの森岡さんのマーケティング論はリスペクトしていて著書が出たら即買うようにしている。

ブランドは抽象的で計測はできないというイメージがある。テレビCMなどで自社のPRをしてもそれが何に繋がるか定めないことも多い。著者はこれはブランディングの誤解であるといい、本当の意味でのブランディングについて説明する。

複数の商品やWebサービスがあり、ユーザーはそれを比較して購入する。この時点ですでに選ばれるだけの何かがあり、選ぶことで最初のブランドが形成される。実際に使ってみて期待通りか期待を超えた場合はさらにブランドが強化される。次の購買タイミングでも同じ商品を選び、リピーターになるとブランドが定着し、ユーザーはファンになる。

ブランディングとは何か?その商品の特徴・独自性が何かを明確化し、ユーザーに伝える作業のこと。つまりマーケティングのひとつ。プロダクトにはまず独自性が必要。固有の価値がないものにいくら良いイメージを付けても価値は高まらない。

Webサービスを作る身としてはどう捉えておけばよいか。ユーザーの課題を解決する便利なものを作り、それを困っているユーザーに届ける。まずは価値あるものを作る。価値には多機能とかサクサク動くとかとかいろんな側面があるが、それをユーザーに届きやすい言葉に変えて表現する。そのプロダクトが爆発的人気になるかどうかは宣伝の多寡ではなくその課題で困っている人の数による。シンプルで分かりやすい。

大学生で就活をはじめた頃、アクエリアスも爽健美茶もコカコーラ社のブランドであることを知って驚いた。無知だった自分は「コカコーラ お茶」のようにコーラの関連商品として分かりやすくした方が良いのではと思っていたが、コーラと聞くと炭酸飲料が想起されてしまいお茶を売るにはむしろ不利になる。ユーザーはそのブランドにどういうイメージを抱いているか?自社都合でそれを無視せず、ユーザーの抱くイメージを起点にプロダクトを拡張していきたい。


面白がる能力

2025/01/01

「ショーハショーテン」というお笑いを題材にした漫画がある。高校生の主人公は同級生とコンビを組み、高校生版のM-1の優勝を目指して努力する青春マンガだ。お笑い版のバクマンと表現できるが、作中の漫才が普通に面白くて笑えるのがすごい。

漫画のシーンで、面白い人は日常の違和感や面白いポイントを見つけるのがうまいという話がある。壁に貼られたポスターの構図に、キャラクターの独特なセリフに、違和感のある状況に笑うポイントを探す。

私も昔からよく笑ってしまう方で、真剣な場でも笑ってしまう。新卒の頃会議に参加する人数が多すぎるのが面白くてニヤついてたとこ正面から注意された。シリアスな場面では気を引き締めた方が調和としては良いが、それでも内心では何でも面白く感じている(自分が面白い人という主張ではないです)。

大学生や社会人になって、どういう場面では笑わないべきか学習するようになった。「なぜ笑ってるのか」と聞かれてもうまく答えれないし、その問答自体が面倒くさい。いま仕事がリモートワークになり、周囲に気を使わずに過ごせる時間が増えた。そうなると昔のようによく笑うようになってきた。元々笑ってる方がハッピーなはずで、それを封印する必要はない。歳を重ねて自分の好きに過ごしていいと思えてきて、自由へと一歩近づけている。

あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。


年の瀬

2024/12/31

2024年も残すところあと一日。普段リモートワークで家から働いているため仕事締めの感覚があまりないが、友人と会ったり街のお店が曜日閉まっていくのをみて年の瀬を感じています。

実家にいると色んな音が鳴っている。テレビ、ゲーム、スマホから流れるYouTube。いつからか色んな音が鳴る空間だと落ち着かない体になったが、昔はここでテスト勉強したりしていたと思い返して驚く。YouTubeは好きなものを見れて飽きたら自分のタイミングで辞められるが、テレビのチャンネルは変える前に周囲に許可を取る。こういう細かい経験で協調性のバランスを学んでいたような気もする。

甥っ子も大きくなり、私の両親(彼にとっての祖父や祖母)と話すときに敬語を使うかどうかで戸惑っていた。それを聞いて懐かい思いが込み上げた。自分も昔そうやって悩んでうまく話せなくなったことがある。どっちが正解とかはないけど、これまで通りタメ口で距離が近い方がみんな喜ぶんじゃない?と伝えた。相手が喜ぶ方を選べば良い。昔の自分に伝えたかったことでもある。

毎年年末にはその年読んだ本のまとめをnoteで書いている。昔からのバイブルだと思っていた本が今年読んだものだったり、月によってまったく本を読んでない期間があったり、毎年驚きがある。履歴をたどると興味関心の移ろいを感じられるのも面白い。読書家のみなさんも年末によくまとめを書かれてるので気になるものをポチポチと買っておき、年始に備える。自分の好奇心に従い、学ぶ姿勢を忘れずに来年も過ごしたい。


M-1グランプリ2024

2024/12/30

年末の風物詩となったM-1グランプリ、今年も楽しく拝聴。今年は20周年というのもあってか例年に比べて煽り動画がYouTubeに大量に流され、本番前から盛り上がりの空気を感じていた。自分の好きな真空ジェシカ・エバース・バッテリィズが勝ち上がったこともありワクワクは大きく、午前のうちに買い出しをすませて敗者復活から通しで観た。

大会としては近年の中で一番の盛り上がりだったように感じた。実際10組のネタはどれも面白く、自分の好きなコンビもあまり良さが分かっていなかったコンビも爆笑させてくれた。令和ロマンの2連覇よりは新たなスターを見たい気持ちがあったがそれでも納得の面白さ。エバースのネタは何度も見返して笑っている。一番笑ったのは真空ジェシカで、1本目はちょっと泣くくらい笑った。でもよく見返してるのは2本目で、ダレノガレのタメ口のくだりを調べてまた笑うなどしている。

ここ数年の恒例として、M-1の感想戦をPodcastでしている。3人で各組の感想や個人的な順位などを話す。採点しながら見るお笑いファンは痛いとウエストランド井口あたりが言っていた気がするが、色んな楽しみ方があって良いと思う派なので気にしない。Podcastで振り返っていると自分では気づかなかった面白さなども知れて面白い。恋愛リアリティショーや公開オーディションなど人と盛り上がる形式の番組が増えているが、自分にとって最大のそれはM-1グランプリかもしれない。

M-1後もアナザーストーリーだったり、出演者や審査員の振り返りを聴いたりして余韻も長い。キングオブコントやR-1、THE WにTHE SECONDなど色んな賞レースが増えているが、やはりM-1が金字塔。かなり気が早いですが来年も楽しみです。


データ・数字との付き合い方

2024/12/29

ロジックの積み上げで決めていると他人と同じ結論をなぞることになる。自分の直感、信じるもののエッセンスを加えたい。ただ人間にはバイアスがあり信じすぎると視野が狭くなる。客観的なデータはそんなとき役に立つ。

すべて感覚で判断していると、リスクを大きく評価しすぎてしまい身動きが取れない場合がある。失敗した時にどうなるか、金銭面や時間面で数字を計算してみる。失っても痛くないならやってみればよい。リスクを取らないのは安全ない感じがするが、チャレンジすれば得られるはずだった機会を失っている可能性がある。

すべてデータで判断していると、自分の拠り所を失う。客観的データが道を示してくれることはない。良質な前提は揃えられるが、決断するのはあくまで人である。データはいまの状況を表す。未来をこうしたいという望みは反映されていない。

人を説得するときは客観的な情報を集めようとする。個人的な意見を言うよりその方が納得感は高めやすい。でも最終的に決めるのはやはり人や集団に属人化している。「それってあなたの感想ですよね?」という揶揄があるが、判断においては自分なりの根拠てわ感想を言えていればそれで良い。