机に向かう習慣
6月から仕事が再開。まだ2日目を終えたところだが自分的には順調に進んでいる。というより休みの間の1週間分くらいの作業を1日でやっている気がする。自分のパフォーマンスがすごいわけではなく、休みの期間いかに集中できていなかったかを実感している。完全な自由の下で作業しているとき、机に座って7時間もパソコンと向き合うことはできない。途中で疲れたり別の関心事ができたりして離席してしまう。ひとりだとサボってしまうので、そういう時はカフェでよく作業をしていた。しかし最近はわけあって家を離れづらい状況だったので自宅の時間が長く、そうなると上手く気持ちが切り替えられずダラダラとした時間を長く過ごしていた。
自分を律することはまったく得意じゃないので、やらないといけない仕事がある状況はエンジンをかけるキッカケになる。久しぶりに集中して作業できて楽しい。ただめちゃめちゃ疲れる。ブランクのせいか気圧差のせいか、仕事終わりにはどっと疲れてしまう。良いスタートを切るのは大事だが、頑張りすぎてガス欠になってしまうのもよろしくはない。人生はマラソン。長い目で見て長期的に成果が出るようにバランスが必要だ。
未来に生き、欠けているものを今作る
「人が欲しがるものを作る」のモットーは当たり前に、さらに大きなことを成すには「未来に生き、欠けているものを今作る」ことが大事だとスタートアップ界隈で言われている。10年先の未来で当たり前になっていることは何か?そして未来には当たり前なのに今存在しないものは何か?それを作れば世の中を変えられる可能性が高くなる。
今日Claude Codeというサービスを利用した。これはAIが開発のパートナーになってくれるというもので、人間が自然言語で指示するとAIがそれに従い設計や実装を進めてくれるというもの。それだけなら類似のサービスはこれまでもあったが、Claude Codeはターミナルで起動させ、視覚的なユーザーインタフェース(GUI)を持たない点が新しい。自分がよく使っているCursorをはじめ、これまでは人間が普通に使うエディタにAIチャット機能が搭載されている形が多かった。これはAIに指示をし、足りない部分は人間が補って修正することが前提になっている。Claude CodeにGUIはない。その分実装の精度が高く、人間の手を煩わせることなく目標物を完成させる。開発者のインタビューによると、未来にあるべきものを考えて作っているとのこと。まさに未来に生きて、今欠けているものを作っている。
人間がやるのは指示するだけで良い。あとは完成物を待ち、それをレビューする。最近のAIエージェントの流れとして、並列でタスクを依頼できるというのがある。人間はマルチタスクが苦手で一つずつしかできないが、機械にその制約はない。複数タスクを並行で投げることで複数人分の仕事が同時にできる。しかも疲れないのでパフォーマンスは一定。素晴らしいことだが、次は指示する人間が疲弊していく。4つのタスクを投げて、出来上がったものが順次届いてそれを確認する。AIの性能が高くなって速度があがるほど人間がボトルネックになる。常に自分のせいで仕事が止まることになり、プレッシャーを感じながら日々を過ごすことになる。AIが代わりに実装してくれる世界で楽をできるはずが逆に忙しくなってしまうのは皮肉で面白い。
「芸人雑誌 平場を考える」を読んだ
週末に散歩がてらタワレコに行ったらお笑いブース的なものがあり、そこで手に取ったのが「芸人雑誌」。副題は「平場を考える」となっており、ネタ以外の発言や立ち回りについての複数の芸人にインタビューした内容になっている。表紙は霜降り明星せいやで、続いて紅しょうがの熊元プロレス、さや香など好きなメンツが続く。
自分は長い間霜降り明星が好きでいろいろ追って楽しませてもらってるが、特にせいやの即興のツッコミが群を抜いて面白い。コンビのネタではボケを担当しているが実際は何でもできるオールラウンダー。本の中では賞レースで優勝することは必ずしも必要か?平場でもテレビと劇場ではどう違うか?など、解像度の高いお笑い論が語られている。熊プロとの対談も面白い。熊プロはせいやとはまたタイプの違う天才で、何をやっても面白くなる。喋り出す前からもう周囲に笑いが漏れている。SNS時代の現代はお笑い分析屋は多くいるが、プレイヤー本人たちが語っているのはまた違った良さがあって面白い。
インタビューに答える中でせいやは「お笑いの天下を獲る」ことを目標を言っている。霜降り明星の二人は真っ直ぐ天下を狙っており、それが推したい気持ちにさせる。元々二人とも器用で何でもこなすが、せいやはバラエティなど王道の方法で上を目指し、粗品はテレビの露出を抑えてYouTubeから覇権を狙う。別々のルートから天下を目指し、その二人が合流して披露するネタはいつも面白い。こんな最強なことがあるかという感じだが、上が引退せず詰まっているといわれるお笑い界、これからどうなるか楽しみだ。
来週から仕事が始まる
1ヵ月半ほどの有休消化期間を終え、来週からまた仕事が始まる。仕事内容は変わるが仕事自体は同じ会社のままで、フリーランス的に働くことになる。週3勤務になり、今までとは違う役割で仕事する。どれくらい役に立てるか、新しいことが始まる前はいつも不安と楽しみが入り混じる。
休みの間にやろうと予定していたことはあまり出来ず、日々の家事など生活まわりのことを色々やっていた。掃除、買い物、料理などの項目を一日のスケジュールにおくとまだまだ時間があるように感じるが、いろいろ気を回して家事をしてるととても疲れて他のことが出来なくなる。最近令和ロマンのくるまがニューヨークのYouTubeで謹慎中の話をしていたが、効率が悪くて一通りの家事をするだけで汗だくになると言っていた。なんとなく分かる気がする。いろんなことを切り替えながら計画を立てるのはそれだけで一日分のエネルギーを使ってしまう。
うまく計画を進められなかった理由として生活リズムの乱れがある。家事で疲れ果てるが、その日やりたかったプログラミングが出来てないと夜更かししてやってしまう。報復性夜更かしという名前がついてるらしいが、これをするとよく眠れず翌日に疲れが持ち越し悪循環になる。小学生の夏休みはずっとグータラしていたし、自分は社会参加の必要がないとリズムが乱れてしまうみたい。週3で仕事し、週2で好きなものを作るのはちょうど良いのかもしれない。この特殊な1ヵ月半よりもこれから続く数年の方が圧倒的に長い。夏休み明けからは生活を整えてまた朝早起きする生活に戻したい。
T字型人材
T字型人材という言葉がある。スキルの縦横を表したもので、横方向に幅広く、縦に一本深く棒が伸びているので「T字」と呼ぶ。これはスキルを身につけるときに全体的に薄く身につけるだけでなく、ひとつの分野の専門性を深く掘ることが重要だというメッセージだ。広くいろんなことに興味を持つのは良いことだが、自分が何の専門家になるかは意識して磨いた方がいい。
新卒で入社した会社ではモバイルアプリ開発の部署に配属された。iPhoneやAndroidのアプリの作り方は特殊で、パソコンから使うWebサービスとはかなり作り方が異なる。元々はWebサービスを作りたいと思っていたが、それでは手広くなりすぎると思って仕事でも趣味でもモバイルアプリ開発にすべての時間を注ぐことにした。社会人になりたての頃は時間が有り余っていたので勉強の時間を多く取れ、そのうち社内でもその領域に詳しい人というニンがつくようになった。そうなると隣の領域というか、例えばデザインチームとか機械学習チームとかの人と話す接点ができる。そういう各チームのエース的な人と話す機会は自分の中でとても良い経験値となった。
「T字」ではなく「π字(パイ字)」という表現もある。これは2つの専門性を深く掘っている。ひとつの長所だけではライバルが多すぎるが、ふたつ自分の長所をかけ合わされば途端にユニークになる。それはもちろん専門性はたくさんあった方が良いのだが、時間が有限な以上一つに振るのか二つに振るのかを選択する必要がある。個人的にはまずはT字で良い。これと決めたひとつの道を深く掘り進めていく。一度深いところまで到達した経験がある人は、他の未知の分野に挑戦するときに勘所があって壁を乗り越えやすい。「これは〇〇の分野でいうところのアレ」と例えることができる理解は早まる。いろいろと興味を持ちつつ、あえてひとつの分野にフォーカスすることを最初はススメたい。