「芸人雑誌 平場を考える」を読んだ
2025/06/01
週末に散歩がてらタワレコに行ったらお笑いブース的なものがあり、そこで手に取ったのが「芸人雑誌」。副題は「平場を考える」となっており、ネタ以外の発言や立ち回りについての複数の芸人にインタビューした内容になっている。表紙は霜降り明星せいやで、続いて紅しょうがの熊元プロレス、さや香など好きなメンツが続く。
自分は長い間霜降り明星が好きでいろいろ追って楽しませてもらってるが、特にせいやの即興のツッコミが群を抜いて面白い。コンビのネタではボケを担当しているが実際は何でもできるオールラウンダー。本の中では賞レースで優勝することは必ずしも必要か?平場でもテレビと劇場ではどう違うか?など、解像度の高いお笑い論が語られている。熊プロとの対談も面白い。熊プロはせいやとはまたタイプの違う天才で、何をやっても面白くなる。喋り出す前からもう周囲に笑いが漏れている。SNS時代の現代はお笑い分析屋は多くいるが、プレイヤー本人たちが語っているのはまた違った良さがあって面白い。
インタビューに答える中でせいやは「お笑いの天下を獲る」ことを目標を言っている。霜降り明星の二人は真っ直ぐ天下を狙っており、それが推したい気持ちにさせる。元々二人とも器用で何でもこなすが、せいやはバラエティなど王道の方法で上を目指し、粗品はテレビの露出を抑えてYouTubeから覇権を狙う。別々のルートから天下を目指し、その二人が合流して披露するネタはいつも面白い。こんな最強なことがあるかという感じだが、上が引退せず詰まっているといわれるお笑い界、これからどうなるか楽しみだ。