未来に生き、欠けているものを今作る

2025/06/02

「人が欲しがるものを作る」のモットーは当たり前に、さらに大きなことを成すには「未来に生き、欠けているものを今作る」ことが大事だとスタートアップ界隈で言われている。10年先の未来で当たり前になっていることは何か?そして未来には当たり前なのに今存在しないものは何か?それを作れば世の中を変えられる可能性が高くなる。

今日Claude Codeというサービスを利用した。これはAIが開発のパートナーになってくれるというもので、人間が自然言語で指示するとAIがそれに従い設計や実装を進めてくれるというもの。それだけなら類似のサービスはこれまでもあったが、Claude Codeはターミナルで起動させ、視覚的なユーザーインタフェース(GUI)を持たない点が新しい。自分がよく使っているCursorをはじめ、これまでは人間が普通に使うエディタにAIチャット機能が搭載されている形が多かった。これはAIに指示をし、足りない部分は人間が補って修正することが前提になっている。Claude CodeにGUIはない。その分実装の精度が高く、人間の手を煩わせることなく目標物を完成させる。開発者のインタビューによると、未来にあるべきものを考えて作っているとのこと。まさに未来に生きて、今欠けているものを作っている。

人間がやるのは指示するだけで良い。あとは完成物を待ち、それをレビューする。最近のAIエージェントの流れとして、並列でタスクを依頼できるというのがある。人間はマルチタスクが苦手で一つずつしかできないが、機械にその制約はない。複数タスクを並行で投げることで複数人分の仕事が同時にできる。しかも疲れないのでパフォーマンスは一定。素晴らしいことだが、次は指示する人間が疲弊していく。4つのタスクを投げて、出来上がったものが順次届いてそれを確認する。AIの性能が高くなって速度があがるほど人間がボトルネックになる。常に自分のせいで仕事が止まることになり、プレッシャーを感じながら日々を過ごすことになる。AIが代わりに実装してくれる世界で楽をできるはずが逆に忙しくなってしまうのは皮肉で面白い。