自分の記憶を過信しない

2024/10/31

記憶力には自信がある方だが、過信しないようにしている。気になる記事、誰かへの連絡、やることリストはその場ですぐメモする。脳みそをできるだけ空けておく。

いろいな方法を試したが、シンプルに忘れたくないことを自分宛にメールを送り、メールボックスをメモリストとして使う方法に定着した。あとで読もうと思った記事があったら自分にメールする、何かアイデアを思いついたら自分にメールする、嬉しいことやモヤることがあったら自分にメールする。URLの保存やメモの保存などそれぞれに最適なツールはたくさんあるが、その切り替えにもコストがかかるので何も考えずいったんメールするのが自分には楽。

自分にメールを送る様式は一定の市民権があるようで、一番有名なものでCaptioというアプリがある。シンプルな使い勝手で数年愛用していたが、最近サービス終了してしまい今は「Note to Self Mail」というアプリに切り替えた。元々シンプルなのでほぼ同じ使い心地。ちなみにアプリとしてはかなり作りやすい部類なのでストア上にはたくさんのCaptio風アプリが並んでいる。XでCaptio終了を嘆く声がいくらかあるが、その人たちに自分の作ったCaptioクローンを返信して宣伝してたりするのも見かける。個人開発は作るの半分、必要な人に知ってもらうのが半分難しい。

誰かが本をオススメしていたらすぐにポチる。これは見聞きしたときが最大の熱量なので、メモして後から見返してもあまり買うタイミングを掴めない。先に買って手元に置いておいて、読めるときに読むようにしている。できれば本はAmazonではなく地域の本屋さんで買いたいと思っているが、ビジネス本や技術本は置いてないし重いものも多いのでAmazonでポチる。予約注文もできるし翌日すぐ届いたりするし、便利さに飲み込まれている。

仕事ではClickUpというタスク管理ツールを使っていて、仕事中のタスクはここに登録する。期限を入れたり詳細なリンクを入れたり、他のメンバーをアサインしたり。そうやって深く使おうとするとやはり専用のサービスの方が必要なものが揃っている。職業的に仕事でメールを使うことはほとんどないが、外のお客さんと連絡するときは1日2回メールボックスを確認していた。上からメールを順に見ていき、返信するかタスク化するかしてメールは削除する。確認のタイミングでは必ずメールボックスが空になる状態にする。前職の社長が言っていた方法で、この作法を聞いてから気に入ってなんとなく真似している。気になったことはその場で解決かすぐメモする。脳を占有するものをできるだけ減らすというのは、生活でも仕事でも大事にしている。


空中戦を避ける

2024/10/30

サービスを作るとき、その仕様について議論する。この機能はどうあるべきか、この画面には何が表示されるべきか。議論の内容が複雑になるときもあるが、その時に気をつけたいのが空中戦にならないことだ。

空中戦とは地に足がついてない様で、仮定の上に仮定を重ねたり、イメージだけでなんとなく話していたりする状況。こういうときは具体例を出したり、ホワイトボードに情報を書き出したりして一度全員の視線を同じ箇所に集めたい。私は本当に重要なことはシンプルに表現できると思っているので、会議の参加者の数人しか話についていけないような状況は不健康に感じる。最先端の話をしているようであって、実は誰にでもわかる言葉にできるほど解像度が高くないだけな気がする。

チームに新しいメンバーが入るとチームが活性化するが、これは各個人が持っている暗黙知が言語化される機会が強制的に作り出されるのが大きい。なんとなくやっていたことの手順や目的を明確化する。他メンバーにとってはもちろん、自分自身にとっても良い振り返りになる。新メンバーからの質問はチームを強化するが、新メンバーからすると自分だけ分かってないような気がして気が引けて聞きづらいときもある。そんな時もやはり、「誰でもわかる地に足ついた話」を目指していることを伝えておけると幾らかは言いやすくなる。経験上、一人が話についていけてない時は大抵他の数人も分かってなかったり、理解しているつもりで少しずつズレてたりする。

暗黙知を言語化する方法は口承でもドキュメント化でもなんでも良いが、ソフトウェア開発でいうとコード上で表現することもできる。技術構成をコードで示したり、コーディングルールを設定ファイルに記述する。チームのルールから踏み外した場合はエディタ上でフィードバックされたり、あるいは勝手に自動修正される。ドキュメントは作って終わりではなく運用が必要で、更新を忘れると実際のソースコードと状態が乖離してしまう。その点ソースコードで表現しておけばズレようがないので管理を一元化できる。

前職ではペアプロという手法を導入しており、これは二人で一つのコードを交代しながら書いていくというもの。それだけでもすでにユニークだが、さらに毎日ペアを変えるペアローテーションという仕組みがあった。機能開発を誰かが担当するのではなく、その担当者がクルクル変わる。そうすることで毎日仕様や構成を言語化する必要がある。ドキュメントは陳腐化しやすいので、そうではなく細かく常に情報を同期しようというやり方で、わりとうまく回っていた。最適な手段は人や場所によって異なると思うが、地に足のついた議論は意識しておきたい。


共感と距離感

2024/10/30

誰かの話を聞いているとき、できるだけそれに共感するような姿勢になる。自分の知識を探ったり、過去の経験と照らし合わせてみたり。「自分だったらどう思うか」「自分だったらどう行動するか」を考えながら、相槌を打ったり質問をしたりする。人の話をちゃんと聞く、という意味でこれは悪いことではないが、この共感の姿勢には限界がある。人によって価値観は様々であり、どうしてもイメージしきれない話もあるからだ。

例えば戦争に行った人の話に自分が本当の意味で共感することはできない。その話題を抽象化して、自分の中の似た経験を引っ張り出してくることはできるが、それは相手の話を矮小化してしまって逆に失礼な気もする。こんな時できるのはただ聞くことで、自分は関係なく相手がその事象についてどう思っているのか、どこに悩みがあるのかを質問する形で会話することしかできない。共感と距離感のバランスを上達したい。

そんなことを思っていると「共感と距離感の練習」という本を本屋で見つけた。まさしく読みたかったタイトルで即購入したが、そのものズバリの回答が書かれているわけではなかった。著者の小沼さんが日常で感じた心情の変化を綴るエッセイで、その中で他者に寄り添ったり自分の感覚を大事にしたりする。その揺れ動きを積み重ねることが練習になる。「ここは共感、ここは距離感」といった明確な線引きはなく、常に考えていくことでしか上達の道はないのかもしれない。

仕事でユーザーインタビューをする機会があったが、インタビューの作法として「相手になりきる」というのがある。Webサービスの使い方について順に聞くのではなく、相手の仕事について教えてもらい、その中で自社のサービスがどう登場するのかをヒアリングする。それを脳内で追体験していくと細かい不明点が出てくる。その作業は週に何回やるかとか、困ったら誰に相談するかとか。そういうポイントをさらに聞く。それを繰り返していくと相手の仕事への解像度があがっていく。誰もが何かの専門家で、その人の仕事はその人自身が一番よく知っている。それを教えてもらう感覚で質問を繰り返す。

このインタビューも「共感」だが、最初に書いた共感とは少し違う。英語の似た言葉として「シンパシー」と「エンパシー」があり、どちらも日本語では共感と訳される。シンパシーは自分と同じ経験や立場の人に自分を重ねること。エンパシーは相手に憑依して相手視点だとどう見えるか考えること。似てるようでかなり違う。相手の話をしっかり聞きつつ、自分の経験に照らし合わせすぎないこと。自分がやりたいのはエンパシー力を高めることかもしれない。


朝に色々やると1日を2回過ごせる

2024/10/29

大事なことは朝に終わらせてしまうのが良い。脳のゴールデンタイムは起床後3時間で、その間はクリエイティビティが上昇して記憶への定着度も高まるらしい。この日記、英語、散歩、大事な仕事は朝にやるようにしている。

朝にすべてを終わらせると、もう満足した状態で一日を過ごせる。その後何もしなかったとしてもやるべきことはもうやっているからだ。昼以降はボーナスステージという感じで、そこで良い仕事ができたらベストだがそこまで捉われなくてもOKという心構えになる。朝から動くことで2回その日を過ごすことができる。

前職の同僚に朝ジムでトレーニングしてから出社している人がいて、「朝から一勝してきた」とよく言っていた。その時は笑っていたが実際的を得た表現かもしれない。一勝から始めると午後の仕事がダメダメでも一勝一敗のイーブンになる。うまくいけば二勝できる。

朝に動くことのメリットは他にもあり、他人に左右されず自分の時間を確保しやすい。例えば仕事終わりに水泳に行っているが、夕方の会議が長引いたり、退勤直前に話しかけられたりすると水泳はキャンセルになる。話すこと自体は嫌ではなくむしろ歓迎だが、習慣としては乱れやすい。人と過ごす時間は不確定要素が高いので、自分の計画を守りたいなら人が動き出す前にやるのがよい。

日中はサラリーマンとして働いているので、個人開発は仕事前と仕事後に分けてやっている。個人開発のどのパートを朝にするか、自分なりに腑に落ちるものを探している最中だ。今のところは文章を書いたりデザインを考えたり、集中力を使うものを朝に配置している。単純なコーディングはだらだらテレビを見ながらでも作業できるので夜にやる。しかし実装中に設計が破綻していることに気付き、夜の時間に急に本気を出す必要が出てくることもある。この辺りの時間の使い方はまだまだ改善の余地がありそうだ。


英語、散歩、文章の継続

2024/10/27

昨日この日記を書いて66日経過したと書いたが、他にも66日続いているものがある。

英語はこの日記と同じタイミングから始めて毎日やっている。最初はNativeCampでオンライン英会話をやっていたが、ここ2週間くらいはDuolingoに切り替えた。NativeCampは他のサービスと違っていつでも好きなタイミングで始められるのが素晴らしい。例えば9:12という中途半端なタイミングからでもティーチャーを選んですぐ開始できる。30分区切りとかだとうまく時間があわなかったりするのでありがたい。基本は1レッスン25分だが、気分が乗らないときや慌ただしいときは15分に短縮したりもした。5分だけの日もある。続けることを重視して1日の内容にはそんなにこだわらないようにしている。Duolingoは15分計りながらやっている。私は勉強の時は文字に書かないと覚えられないが、Duolingoは同じ文がしつこく出てくるのでスマホだけでも割と文法が身に付く。このまま続けたい。

散歩も毎朝行っていて、平日は朝に行く。30分くらいで3,000歩少々。音楽やPodcastを聴くときもあれば無音のときもある。友人と合流して一緒に行ったりもする。朝の空気のなか体を動かすのは気持ち良い。雨の日は行かなくてOKということにしていて、その代わりに気が向いたら室内で筋トレをする。仕事は基本座りっぱなしになるので意識的に運動を取り入れる必要がある。健康に過ごせる時間の割合はできるだけ多くしたい。

文章はこの日記とは別にnoteで書いていて、週に一回のペースで更新している。内容は仕事の話で、プロダクトマネージャーとして働くなかで気づいたことや学んだことを整理して書いている。noteの文章は勢いで書いた後に読み返して校正している。毎週火曜に公開しているのが、月曜に書いて火曜に校正・公開というのが大体の流れ。書くのが大変かなと感じるトピックでも書き始めてみるとスラスラ書け、1時間くらい書くとそれなりに形になっていたりする。66日で9本のnoteを出せたが、これはここでストップして良いかなと思っている。「3年前の、プロダクトマネージャーになりたての頃の自分が知りたかったこと」をコンセプトに書いていたが、当初知りたかったことは大体もう書けた。文章を整理しながら書くこと自体は楽しいので不定期にまたやりたい。ちなみに書いたものの中にはほとんど読まれなかったものもあるが、自分で読み返してみると大変面白い。自分がよろこぶものが書けて大変満足している。

習慣化を目指して色々やっていたが、これまでと一番違うのは朝の時間にすべてやっているということ。朝にすべて終わらせてから仕事に入ると気分が良い。やりたいことが1時間分あれば1時間早く起きる。そういう時間の使い方をするようになり、明確なやることがあるので朝もスッキリ起きれるようになった。朝起きてから3時間は脳のゴールデンタイムと呼ばれるらしい。この時間はメールの返信など誰かにパスする仕事ではなく、表現や勉強など自分の時間として使うようにしたい。