AIライティングが面白い

2025/05/20

AIライティングというテーマが少し盛り上がっている。これは自分の過去の文章をAIに分析させ、自分の文体や特徴を真似することで自分専用の執筆アシスタントが作れるという取り組み。自分でも試してみたがかなり面白く可能性を感じている。

まず前準備として、自分がこれまで書いた文章からAIに自分の文体を抽出してもらう。これをファイルに保存しておくのだが、慣習的にはwriting-style.md というファイル名で保存することが多いらしい。例えばこの日記の特徴を出してもらうと、『「自分にとって」という視点を大切にし、一般論を避ける傾向がある』『技術的な事柄も専門用語を極力避け、一般読者にもわかるよう説明する』などが挙げられた。こうして突きつけられるとなんだか恥ずかしいが、言われてみると意識しながら書いているような気もしてくる。

次に、自分が書きたい内容を箇条書き等の適当な形でまとめ、それを自分の文体に合わせて肉付け・文章化を行ってもらう。トピックは網羅しつつも、導入や展開、言葉遣いなどが自分らしい文章となって作られる。あとは少し手直しして完了。普通に書くよりも2-3割エネルギーが節約される感じがした。

AIにすべてを委ねて開発していく「バイブ・コーディング(Vibe Coding)」に対し、これらの手法は「バイブ・ライティング(Vibe Writing)」と呼ぶことができる。ソースコードは実装したあとに運用が必要になるためバグが混入してないか注意を払う必要があるが、記事コンテンツは一度書き上げてしまえば公開して終わりというケースも少なくない。特にドキュメントやビジネス文書、PR文言など、書き上げるゴールが見えている場合はかなり作業を省エネ化できそうだ。

しかし、日記やエッセイといった性質の文章は明確なゴールはなく、それを書くこと自体が目的となっている。こういう「書きながら考える」「書くから考えられる」ものはバイブ・ライティングとは相性が悪いだろう。日記やエッセイのAI活用では、AIに書いてもらうのではなく、日記をすべて読んでもらって自分のコピー像を作る方が有用な気がする。道に迷ったり視野が狭くなったときに過去の自分に相談する。友人よりも経験や文脈に沿ったアドバイスをしてくれるので、ハッとさせられる日が来るかもしれない。いずれにせよ自分についての文章をテキスト化しておいておくと、AI時代には何かと役立つかもしれません。