最近ハマっているもの

最近ハマっているもの

2025/01/11
最近ハマってるもの。 ちゃんみなプロデュースの女性アイドルオーディション番組「No No Girls」。アイドルオーディション番組を観るのは初めてだがちゃんみなのフィードバックの凄さに食らっている。まず自分が理想とするグループ像を伝える(口パクはしない、歌もダンスもできるチームにする等)。審査で脱落者が出るときは各々の個性を否定するのではなく、その方向性に今回たまたま沿わなかったという表現でフィードバックする。さらに歌、ダンス、表情、歌詞、英語の発音などの細かな部分を具体的に指摘する。ちゃんみなのこだわる品質が高いからこそチームの上限が高くなる。今日まさに最終審査が横浜Kアリーナで行われている。ここまで残ったメンバーは全員スキルも性格も一流で、誰がデビューするにしても売れそうに思う。応援しているのはJISOOとFUMINO。 漫画「ふつうの軽音部」。女子高生が軽音部に入り、バンドを組んだり楽器を練習したりする話。アーティストとして大成することを目指しているわけではない普通の軽音部。バンドの解散や部員が辞めたりもしょっちゅう起きる。そこにも一人一人が抱える想いがある。バンド漫画はライブの演奏シーンをどう描くかというのに特徴がある。例えばBECKは客の反応だけで盛り上がりを描く。本作では手書きの文字と吹き出しの形で歌を見せ、そこに過去の回想を絡めて表現していてこれが自分にとても刺さった。読んでると楽器を練習したくなり、部屋の奥にあったギターをちょっとだけ取り出しやすい位置に動かしました。

すべての年代の自分がいる

すべての年代の自分がいる

2025/01/09
30代後半となった自分は普段は社会人として働いているが、実家で甥っ子や姪っ子と遊ぶときは自分も子供に戻る。年を経ていろいろな経験をして大人になっていくと思っていたが、実際は12才の自分も20才の自分も35才の自分もいる。場面ごとに切り替えたり、各年代の自分で話し合って行動を決めたりする、という感覚が近い。大人になっても童心は消えていない。 友人の子供と遊ぶとき、その子の考えてることがある程度分かる。この玩具で遊びたいとか、本当は遊びたいけど恥ずかしくて逆の態度を取ってしまうとか。それは自分が子供好きだからとかではなく、自分のそういう時代をよく覚えているからだと思う。三男の末っ子として生まれ、兄や従兄弟と歳が離れていたのでよく遊んでもらった。よくワガママも言って困らせた。そういう時に言ってもらって嬉しかったこと、言って欲しいと思っていたことを声かける。子供に言っているようで過去の自分が喜ぶ。一種のセラピーになっている。 バイブルとしている「ずっとやりたかったことを、やりなさい。」ではアーティストデートという習慣が推奨されており、これは毎週2時間自分がやりたいことをやらせてあげようというもの。美術館に行くでも散歩に行くでも良いが、自分の内心に栄養を与えられるようなことを一人でやる。普段しがらみの中で自分をアジャストして生きている。誰しも自分の中にアーティストな一面があるが、それは素直で脆い。それを外の刺激から守り大事にすることが、自分の中の好奇心を湧き立たせることになる。

「漫才過剰考察」を読んだ

「漫才過剰考察」を読んだ

2025/01/08
「漫才過剰考察」はM-1を2連覇した令和ロマン・くるまの著書。読む前のくるまの印象はお笑い分析屋。流れを読んで戦略を立てそれを自ら実践する。〇〇はなぜ人気なのか、みたいなお笑い評論にはあまり惹かれないので本書も敬遠していたが友人に薦められて購入。これがめちゃめちゃおもしろかった。彼の分析は巷に溢れるものとは違い本質的で、そこに彼のバイブスが乗っており読み物としてとてもよかった。 歴代のM-1大会を分析し、なぜこのタイミングでこのコンビが王者となったのかを彼なりの自論で紐解く。最年少で不利なはずの霜降り明星がなぜ勝てたのか?お笑いブームの拡大はM-1の採点にどう影響したのか?年を経るごとに変わるトレンドをなぞりつつ、その時起こった変化が説明されていく。M-1への愛も随所に現れる。この本で熱量高く言及されるネタをもう一度見たくてAmazon Primeを開いた。M-1への没頭が流れを読む力に変わり、トップバッターながらに4種類の中から適したネタを選んで見事優勝するという2023年の結果に結びつく。 自分の感想では、くるまは「ユーザーファースト」なお笑い芸人。その日の観客を見てネタを選ぶ。子供が多いとか老人が多いとかはもちろん、誰かのこのボケがウケなかったから今日はこっちのネタにしよう、みたいな観察力がとても高い。たぶんビジネス書を書いたらベストセラーになる。実際雑誌Forbesでヤフーの会長の川邊さんと対談していた。考え方が仕事ができる人のそれで、没頭できさえすればどの分野で活躍できそうに思える。

相手を勝たせる

相手を勝たせる

2025/01/06
「降伏論」という本を読んだが、その中の「相手を勝たせる」という章が面白かった。 相手を上げたい場合、私たちはつい「〇〇さんすごいですね。自分なんか××で、〇〇さんみたいにできないです」というように言ってしまう。これは一見相手を褒めているが、実際は自分を下げることで相対的に相手が上がっている。そうではなく、誰も下げずに相手だけを上げる。 「自分ばかり話してしまいました、すみません」ではなく、「〇〇さんの話を聞く姿勢が良すぎてつい話しすぎてしまいました。ありがとうございます」と伝える。これは自分はそのままに相手だけを上げている。こういうコミュニケーションをしたい。

意見の作り方、好奇心の作り方

意見の作り方、好奇心の作り方

2025/01/05
自分の意見や感想を伝えるのは難しい。思っていること、感じていることを言語化するのには練習が必要。そのためには本や作品のレビューなど誰かが書いたものに触れ、自分の感情にしっくりくるものを探していく。それを繰り返すと自分の感情はこう言語化できるんだというピースが集まる。ピースがたくさんあると自分の感情をストレートに人に伝えられるようになる。 好奇心はその逆で、人が本来備えている。子供の頃は外を探検したり絵を描いたりと好奇心のままに行動する。それが危険なものを避けたり、社会的規範を身につけたりするうちに行動は狭まる。同じ失敗を二度しないように注意深くなるのはよいが、やりすぎると自分の本来の気持ちを封印することになる。その職業で食べていけるのか、どうすれば安定した生活が送れるのか、頭で考えることと好奇心に従うことはベクトルが異なる。好奇心を妨げるものに自覚的になること。自分の好奇心にフタをしているものが何なのかを理解し、それは本当に必要かを考える。絡みついたものを剥ぎ取れば好奇心は自然と生き返る。 社会で調和を重んじていると思っても言えない言葉がある。空気を悪くするとか、自分固有の拘りだから言うまでもないかなとか。それでも浮かんだその言葉は自分自身のもの。人に言えないことは紙に書く。周りの反応が怖くても自分がそう感じたことは真実。書き留めておけば風化させずにすむ。

石橋を叩きすぎない

石橋を叩きすぎない

2025/01/03
「仮説行動―マップ・ループ・リープで学びを最大化し、大胆な未来を実現する」を読んだ。仮説思考という言葉を近年よく聞く。闇雲に動くのではなくまず仮説を立て、それを検証していく動きのことだ。著者はその仮説思考に加えて「行動」の重要性を説く。良い判断をするためには良い情報が必要。その情報は検索ではなく行動によって手に入れることができる。 何か判断する時、私たちはリスクを考える。失敗すると痛い、確実度の低い道は怖い。リスクは極力避けたくなるのが人間の本来だが、それを試さないことで失っているものが実はある。昔WWDCというAppleが主催するカンファレンスに出張で参加したことがある。会場はアメリカなので交通費も宿代も高い。カンファレンスの内容はインターネットでも公開されるので、わざわざ高いお金を払って行く必要はないように思える。でも世界中から自分と同じ開発者が集まってきていて、エンジニアじゃないと意味がわからないくらい小さな発表に熱狂的に拍手する。そういう空間で時間を過ごしたことは経験として大きい。 エンジニアには勉強会という文化があり、会社や個人がスペースを借りてお互いのノウハウを発表し合う会がよく開催される。業務外の時間に開催されているものなので参加する義務はもちろんない。ただそこで緊張しながら発表したり、他社のいろんな価値観のエンジニアと交流したことは確実に自分の糧になっている。勉強会に参加する時間はプライベートだし、発表することには炎上リスクもある。しかし参加したことで得られたものはリスクより遥かに大きい。

ブランディングの正体

ブランディングの正体

2025/01/02
「ブランディングの誤解」を読んだ。N1マーケティングでお馴染みの西口さんの新書。西口さんと元USJの森岡さんのマーケティング論はリスペクトしていて著書が出たら即買うようにしている。 ブランドは抽象的で計測はできないというイメージがある。テレビCMなどで自社のPRをしてもそれが何に繋がるか定めないことも多い。著者はこれはブランディングの誤解であるといい、本当の意味でのブランディングについて説明する。 複数の商品やWebサービスがあり、ユーザーはそれを比較して購入する。この時点ですでに選ばれるだけの何かがあり、選ぶことで最初のブランドが形成される。実際に使ってみて期待通りか期待を超えた場合はさらにブランドが強化される。次の購買タイミングでも同じ商品を選び、リピーターになるとブランドが定着し、ユーザーはファンになる。

40歳を過ぎたら自分の顔に責任を持て

40歳を過ぎたら自分の顔に責任を持て

2024/12/27
「40歳を過ぎたら自分の顔に責任を持て」はアメリカの元大統領リンカーンの言葉。顔は親から与えられるものであるが、40歳を過ぎる頃には過去の経験や自信が顔に現れるようになる。実際に有能な閣僚候補がいたが顔つきが悪いという理由で見送ったこともあるそう。 この言説には同意する気持ちが多い。よく笑う人は口角があがった顔になるしよく怒る人は険しい顔つきになる。1万回同じ動作をするとシワになるという話も聞いた。どんな時間を過ごし、どう考えてきたかは顔つきに現れる。それは美醜ではなくその人の雰囲気を作り上げる。 昔いいとものコーナーで「人相統計学」の専門家なる人が出演していた。人相統計学は例えば額の大きさや眼と眼の間の距離などから統計的にその人の特徴を分析するというもの。その時は「こういう顔の人は犯罪者が多い」みたいな話をしていて、そんな顔の特徴だけで決められてはたまったもんじゃないと思った記憶がある。ただ顔が似ていると性格が近しいのはある気もしていた。その人の過ごした時間が顔つきに出ているから、というリンカーンの説明は納得感が高い。

嫉妬から逃れる方法

嫉妬から逃れる方法

2024/12/23
「感情の哲学入門講義」を読んだ。哲学の入門本で元々は大学の講義で扱った内容をまとめたものらしい。ソクラテスやニーチェなどよく聞く哲学者の名前は一切出ず、身近な例を挙げながら哲学とは何か、感情とは何かを深掘りしていく。本の冒頭にもあるが全体を通してくだけた話し口調で書かれていて読みやすい。 本の中で嫉妬に関する記述がある。誰かに嫉妬するには二つの条件があり、ひとつは自分が他人より劣っていること。そしてもう一つは「その人が得た利益は自分も得られたはず」と考えること。自分より優れた人は世にたくさんいる。しかし全員に嫉妬の気持ちを抱くことはなく、オリンピック選手やソフトバンクの孫さんなどは異世界の人物として素直に応援できる。どんな場面で嫉妬を抱くかというと、同期が出世したとか、自分も思いついてたアイデアで誰かが成功したとか、自分にも手が届きそうだと思える事象に対して嫉妬する。この言語化は個人的に面白く感じた。 ではどうすれば嫉妬から逃れられるか?それは「他人が受けている利益は自分が得られるはずのものではない」と自覚すること、と本には書かれている。例えば人気のYouTuberを見て「この企画は自分でもできそうだな」と思う。しかし本当にすごいのはその動画を撮っていることではなく、日々企画を考え、誹謗中傷が飛び交うインターネットに顔を出して勝負し、視聴者数がいないときでも継続して更新し続けるその姿勢である。それは自分にはできないと思えればそこで嫉妬は取り除かれる。表層ではなく裏側のプロセスを見る。一朝一夕で得られる報酬はない。

日本で一番自殺率の低い町

日本で一番自殺率の低い町

2024/12/22
「生き心地の良い町 この自殺率の低さには理由(わけ)がある」を読んだ。著者が日本の市区町村で自殺率の低いところを探していると、徳島県のある町(海部町)が目に留まる。近隣の町を見てみると特段自殺率が低いわけではない。病気など不安の種自体は等しくある。では、何が自殺率を減らす要因となっているのか?著者は実際に町で暮らし、住民と関わる中でその因子を発見していく。最近読んだ本の中でも抜群に面白く、一気に読み終えた。 町の人と話したり特徴を調べたりするなかで、著者は5つの因子を見つける。例えば「赤い羽根募金が集まらない」。海部町では近隣よりも募金が集まらない傾向があるらしい。自殺が少ないと聞くとなんとなくハッピーなイメージを持ち、募金はよく集まるものかと想像するが実際は逆。「この募金が何に使われるかよくわからない」と参加しない。逆に町の祭りなどにはお金は出す。他の人がやってるからではなく、判断の拠り所が自分にある。 うつ病の受診率が高いというデータも見つかる。他の町では「うつ」が周りにバレないようにと考えるが、海部町では誰々がうつになったらしい、じゃあお見舞いにいかないと、とオープンにやり取りされる。これを嫌に思う人もいるかもしれないが早い段階で明るみに出されるのは良い面も多い。うつ病を認めにくいのは周りの目など社会的な環境が大きい。周りから特別視されず、治療後は普通に同じように働ける環境であれば受診を妨げるものはない。