Googleは後出しで勝つ

2025/06/09

GoogleのGeminiがすごい。ChatGPTが出た当初はGoogle検索が終わるなどと言われ、後追いで出たGeminiは性能が低く王者の凋落かと揶揄された。そこから数年、いまのGeminiはチャットも動画生成もコーディング補助も優秀でトップランナーに肩を並べている。スマホ領域ではライバルのAppleにGeminiを提供するという話もある。少しで遅れてもちゃんと対応できれば、後出しでも勝てる見込みは十分ある。

Googleには元々検索エンジンで溜めたデータが十二分にある。優れた知性をつくるには良質なデータが必要。学習させるためのデータには困らなかっただろう。ChatGPTやPerplexityなどのAIサービスが検索を置き換えるという説もあったが、GoogleはGoogle検索の結果画面にAIによる要約を表示するようにした。技術のトレンドが変わっても人の習性はすぐには変わらない。普段使ってる場所にAIが組み込まれていればそれで満足して他には動かない。

NotebookLMというGoogle社内の小さいチームが作ったプロダクトも素晴らしい。WebページやPDFファイル、YouTubeなどを与えてノートブックを作ると、その内容に対して質問したり、理解度を測る小テストを作ってくれたり、概要がわかるPodcastを生成したりできる。NotebookLMは数人程度の小さなチームで作ったものに火がつき、世の中で絶賛されるまでに至った。大企業でありつつもスタートアップ的な動きもできる。1日のうち2割を好きなことに当てられる20%ルールによりGmailが生まれたように、変化の激しい時代にはエンジニアの遊びが時折クリティカルヒットする。今日の深夜にはAppleのカンファレンスであるWWDCがある。AI分野ではやや遅れを取ってる印象だが、そろそろ何か発表されそうで楽しみにしている。