Xと距離を置こう

2025/10/07

FOMOという単語がある。Fear Of Missing Outの略で「見逃すことへの恐怖」の意。例えば仕事を長期間休んでいる間にスキルが伸びず、周りに置いてかれることを怖がる心理状態のことを指す。以前半年くらい休職していて問題なく復帰できた経験があるのでFOMOには打ち勝ったつもりでいたが、AIの進化が早すぎて少し不安になってきた。今や当たり前になっているClaude Codeも半年前はまだ使ってなかった。OpenAIのCodexはリリースからまだ2ヵ月も経っていない。ここからどんなスピードで世の中が変わっていくかは想像もつかない。

技術が一気に変わってもそれを使う人間は一歩ずつしか変わらないという話がある。なので奇抜なイノベーションは受け入れられない。本当のイノベーションはCDプレイヤーからウォークマンのように、「音楽を聴く」体験はそのままに仕組みが変わる。人間の習慣は維持で方法だけが変わる変化は馴染みやすい。トレンドを追い続けることよりもユーザーに刺さるものを考えることのほうが比重はデカく、それを考えることに「取り残される」とかはなさそうに思う。

最近感じていたなんとなくの焦り、これはXから来るものだと分かった。スマホを買い替えてから触るのが楽しく、つい暇な時間にXのタイムラインを眺めてしまう。そこには色々な人の活躍やアピール、最新の"押さえておかないとヤバイ"情報が流れている。誰かの意見を見ると勝手に脳が反応してしまう。自分も頑張らなきゃとか、こういうのを自分も作りたいとか、いちいち反応してたら忙しい。それで余裕がなくなってしんどくなっていた。

外部からの刺激は毒にも薬にもなる。自分の活力になるなら触れればいいし、気持ちを重くしてしまうなら離れればいい。今は開発以外の時間を大事にしたいと思っているので距離を置いた方が幸せになれそう。なのでXはお休みして、毎週日曜日の11時からだけ観ていいルールにしてみる。個人開発してるものの宣伝とか投稿オンリーのものは都度OKとする。これで1ヵ月過ごしてみてどんな気分になるか試してみたい。いま振り返る限り、Xから離れていた数年の方が自分の日々の幸福感は高かった気がする。SNSで見知らぬ誰かにアピールしなくても、親しい数人の友人に感謝を伝えられればそれで十分だったりする。