AI開発で趣味のツールを作ってみた

2025/06/07

「Claude Code」というAIエージェントが注目を集めている。これまでのAIエージェントと違う点としてGUI(Graphical User Interface)がない。つまりコマンドを打って指示するのみで、ファイルを開いたり編集したりの機能は含まれていない。AIエージェントのレベルが進んだ世界では人間がAIの間違いを確認したり修正したりすることは減って、タスクの指示に集中できる。そういうコンセプトで作られたClaude Codeは、元々社内で使うために使われるものだったのが、社内でクチコミが広がって盛り上がり、世の中に公開することになったらしい。人が使うならGUIは必須だと思っていた自分は当初は興味を持てなかったが、一度使ってみるとその精度の高さに夢中になってしまった。

まずは実装の精度だが、これはかなり賢いといえる。感覚的には新卒4年目くらいのエンジニアくらいは実装できる。しかもデザイン、インフラ、データベースなどの領域を問わずに精通している。ある程度細かく指示すれば90%くらいの確率で欲しかったものが作られる。適当な指示でも結構いける。たまにミスる時もあるが、それはこちらの指示が曖昧で他の画面と間違えてしまったり、過剰にハイレベルな実装をしてしまってるとかで納得できる間違い方になっている。人間のように根本から勘違いしているとか、クセのある実装をしてしまうとかがほとんどない。

使ってみた系の記事は多くあるので、自分は本当に実用的なツールを作ってみようと思った。以前から欲しかった麻雀の点棒管理アプリで、点数のやり取りの時に本物の点棒じゃなくてスマホで点数スコアを移動できるというもの。友達の家でたまに麻雀をするのだが、そこの雀卓には点棒管理の機能がなくて点数はその都度聞かないといけない。そういうアプリがあったらいいよね、みたいな話が出ていたのをやっと実装した。実際に自分たちで使う想定なのである程度のクオリティが求められる。変なバグがあると便利にしたつもりが逆に手間が増えることもある。色々考えられるケースを挙げ、AIと相談しながら実装を進める。実装が高速かつ高精度なため、チャットだけで望むものがすべて作られた。次の機会には試せそうである。自分だけが使う趣味のツールを作るのに、1ヵ月もかけるのはなんとなくコスパが悪い気がして腰が重くなる。これがAIなら1日でできる。しかも自分には実装できないような数字が増減するアニメーションなどもサッと実装してくれて満足度が高い。いろいろアイデアがあるけど作る時間がない人には良い時代になった。一方で、サービスが乱立するので本当に使い続けてもらうものを提供する難しさはあがっている。

Claude Codeは並列で作業ができる。つまりタスクA、B、Cを同時に依頼して3本のレーンを走らすことができる。これは人間がやるなら相当の人数が必要なので革新的といえる。ただし3つのレーンから挙がってくる完成物を人間がレビューしないといけない。正しく動いてるか、変なところが壊れてないかをチェックするのはそれなりに時間がかかる。並列作業は強力だが、人間側の負担がかなり大きいと感じる。実装された内容の確認、既存の機能が壊れてないかなど、次はチェックする側のAIが必要だ。それも今時点でかなり惜しいところまで出来ているので時間の問題だろう。ここ数年でものづくりの未来は変容していく。