サービスを個人に作るか会社に作るか
Webサービスやアプリを作るとき、それを誰に届けたいかを考えることが重要。「なんとなくこういうの流行ってるから」では誰にも刺さらない。こういう人たちがこうやって使うもの、というイメージがあると良いものが作れる。
誰のために作るか?大きく分けて「個人向け」と「会社向け」がある。個人とは一人一人が自分の意志で選ぶもので、例えばTikTok、メルカリ、Yahoo!天気のようなエンタメ・ツール系のものが多い。対象の母数が多いので爆発的に流行るチャンスがある。ゲームなども個人向けに分類される。ただしゲームは一発当たったときにピークが来るが、基本的に何もしなければ人気は衰える。逆に家計簿アプリのようなツール系サービスは一度良いものを作り切ればユーザーは積み上げられていく。このあたりの違いは押さえておく。
一方、会社向けのサービスは組織として契約して従業員が使う形態を指す。そのサービスを見つけてくるのは現場のスタッフかもしれないが、最終的に導入を決定するのはもっと上位のレイヤーとなる。会社は何かしらの事業をやっていて、そこには常に課題がある。クリティカルな課題はお金を払ってでも解決したい。なのでその課題を解決できるサービスになっていればお金はもらいやすい。会社で採用する場合、セキュリティやその会社の要件に合っているかが重視される。そのため個人向けのものよりも使い勝手が悪くても契約される可能性がある。ひと昔前はひどい出来のサービスを使わされて現場が疲弊するみたいな話もあったが、最近は技術が進化・浸透して使いやすいものが多くなっている。
個人向けでも会社向けでも、大事なのはクチコミが生まれるくらい良いものを作ることである。個人であれば友人や家族に紹介して伝わる。会社であれば同僚や同業種、あるいはその会社のスタッフが別の会社に転職し、次の現場でも導入を提案してくれたりして拡がる。人間は同じ属性を持つ人同士でコミュニティを築く。その人に刺さるものを作れれば、その人が所属するネットワークに伝播する可能性が高い。