退屈な時間をエキサイティングに

2025/10/03

昔「ALPACA」というiPhoneアプリを作った。カメラロールにある類似した写真をピックアップして並べ、ベストショット1枚だけを残して他を一気に削除するというもの。当時はスマホの容量に困ってる人が多くてそこにウケ、さらに自撮りをする人たちに好まれてそれなりにユーザー数がついた。自分的には最初にヒットしたアプリといえる。

このアプリ、実はアクシデント的に作ることになった。当時iPhoneアプリ開発の勉強会をよく主催していて、その日も200人くらい集まる予定だった。しかし当日の朝に台風が接近して微妙な状況となり延期に。案内を見ずに来場してしまった人のために2時間くらい受付で待機しておきましょう、と自分を含めた運営メンバー3人で待つことになった。

ただ待ってるだけでは暇すぎる。この時間で3人でアプリ作ってリリースしたら面白いですよねという話になり、ちょうどエンジニア2人とデザイナー1人だったのでアイデアを出し、役割分担して実装。その日中に完成はしなかったが翌週くらいには無事リリースできた。デザイナーの方がトリリンガルだったので日本語の他に英語と韓国語に対応し、後に韓国でバズって韓国AppStoreの上位に並んでいた(母数が少ないので日本より少ないダウンロード数で上位に入れていた)。

ALPACAというアプリ名には何の意味もなく、ただ効率化のツールというより親しみを持てるアプリにしたいという思いで柔らかい名前をつけた。Aから初めてYまで25個の動物にちなんだアプリを作り、Zは「Zoo」というアプリにしてそれまでの動物をすべて登場させようというアイデアで盛り上がった。結局Bが出ることはなかったが…。この辺りは自分の時間の使い方などが甘く反省している。それでもALPACAの開発では技術的にもいろいろ学べたし、雑誌のおすすめアプリに何度か掲載してもらえたりして貴重な経験をさせてもらった。あの台風がなければ生まれなかったと思うとなんだか不思議だし、退屈な受付での待ち時間をエキサイティングな時間に変えれて素晴らしい発想だったと今でもたまに思う。