NotebookLMが面白い
「NotebookLM」はGoogleが提供するAIサービス。WebサイトやYouTube、PDFなどを読み込ませるとその要約を作ったり、内容に対してチャットで質問したりすることができる。面白いのが与えた内容からPodcastを作る機能で、二人のパーソナリティが会話する形で記事や動画の内容を紹介してくれる。例えば興味のあるテーマがあるとして、それに関連するWebサイトを10個くらい与えてPodcastを作ってもらう。散歩や家事をしながらキャッチアップできるし、パーソナリティの掛け合いがかなり自然で普通に作業用BGMとしても楽しい。最近のアップデートでこのPodcast作成機能が日本語に対応した。無料プランではPodcastは1日3つまで作れるが、毎日上限まで作って聴く生活を送っている。
Podcastでの情報収集には以前より興味があり、自分でも技術トレンドを耳で聴く「zenncast」というサービスを作ってみたりした。自分は聞き心地を求めてBGMの重要性に行き着いたが、NotebookLMはBGMはなくても聴きやすいと感じる。その理由はパーソナリティの掛け合いのリズムで、抑揚のある声で相槌を打ったり質問したりするので自然と耳が引かれていく。よく考えると自分が好きな芸人のラジオではBGMなどなくても2時間聴き続けることができる。日本語のAI発話が自然になってきてるというのも大きい。AIの特徴のひとつに究極のパーソナライズというのがあるが、自分が興味のあるテーマのPodcastを10分x4つくらい毎朝作って置いてもらえると聴くと思う。このテーマは「経済」などの広いカテゴリではなく、「あなたの街の人気のランチのお店5選」とか「夏休みに海外に行こうとしてるあなたへ - 海を楽しめる5ヵ国それぞれの特徴」のような自分の今の興味にピンポイントに刺してくる。調べようと思っていることを先回りして用意してくれる、そんな時代になっていく。
イノベーションが難しいのは「技術としては非連続な進化、だけど人間の気持ちは連続的」という点にある。非連続であれば良いだけなら突飛なアイデアは思いつく。問題はそれを人々が受け入れられるかどうかにある。ウォークマンはイノベーションのひとつとされるが、これは「音楽の聴き方」が変わったが「音楽を聴く楽しみ」自体はそのまま保たれている。つまり連続した場所で従来とまるで違う発明が必要で、これがイノベーションの難しいポイント。NotebookLMは「情報をさがす」ことはそのままに、「情報の探し方」をアップデートしている。自分が元々やる予定だった仕事を何ステップも省略してくれるなら、それを使わない理由はないだろう。