途中経過を見せる
新しく買ったロボット掃除機が活躍している。Ankerの「Eufy X10 Omni Pro」というモデルにしたが、期待通りちょっとした段差は超えてすべての部屋に行ってくれるし、カーペットを検知すると水拭きブラシをしまって吸引を強めにするモードに切り替えてくれる。最初に部屋のマップをスキャンして回るのだが、その把握がかなり精度が高い。というのも連携アプリに認識した部屋の間取りが3Dで表示されていて、それが現実のものとかなり近い。掃除の性能は同じだとしても、こうやって途中のプロセスを開示してくれると信頼感があり、「綺麗にしてくれてる」感覚が増す。テクノロジーの良い使い方だと思った。
いまの生成AIブーム、そしてその少し前のディープラーニングの頃から途中経過の説明はひとつの技術的テーマになっている。機械学習は賢くて精度もとても高いのだが、なぜそう答えているかを辿るのはとても難しい。なので多くの場合は「答え合ってるしまぁいっか」となるが、より人間がうまくAIを使いこなすためには中の仕組みを知ることが必要になる。最近もいろいろ研究が進んでいるのでこのあたりはそのうち改善されるかも。
ビルドインパブリックという開発手法がある。これは何かのプロダクトを作るとき、そのプロダクトを作っている様子をブログやYouTubeで公開していくというもの。途中でアイデアを募集したり、ユーザー参加型で開発が進められる。出来上がる途中経過を知っているとそのサービスや開発者に愛着が沸き、応援したくなる。マーケティング手法のひとつとされてるが、これも「途中」を見せることで満足度を高める方法といえる。
何かに悩んでいるとき、それを親しい友人やパートナーに開示しても良い。自分で抱えきれないものは分け合う。他人の冷静な視線だと新しい解決策が得られるかもしれないし、解決方法がなかったとしても一緒に問題に取り組む仲間がいるのは心強いこと。自分のなかで結論まで出せるのは強い。しかし関係を深めていきたい相手なら、弱い部分もオープンにしてチームになってしまうと良い。どれだけ強くてもより高い壁に当たれば挫折するが、チームになればどんな困難が来ても仲間のままでいられる。