AIで自分専用ツールを作る時代

2025/05/11

AIを使えばエンジニアじゃなくても簡単なツールを作れる時代になっている。お試しのアプリだけではなく実際にオンライン上に公開できるし、データベースを繋げて書きこんだ内容を記録したりもできる。自分なりに工夫したければチャットで指示して機能やデザインの変更もできる。日本語や英語でプログラミングができる時代が来たといえる。

これまでWebサービスを作るとき、作ろうとしているものに一定の需要があるかを事前にチェックすることが重要とされていた。人数と期間をかければ大抵のものは作れるがお金がかかる。お金をかけて作った後に実はそれは誰も必要としていませんでした、という結末を迎えることが多く、必要とされるものを作るにはリサーチが重要だよね、という流れで来ている。しかし自分専用のアプリなら需要も何もない。他の人がまったく欲しくなくても自分だけが満足できれば良い。この考え方は準備も開発コストも不要なWebサービスだからこそ成り立つ。自分に必要なものを作って、いらなくなったら捨てたら良い。

実際に自分専用アプリを作ってみた。「v0」というサービスを使い、チャットで作りたいものの要件を伝える。作ったのは1日に飲んだ水の量を記録する水分摂取量トラッカー。Webに公開されており、URLを知っていればどこからでもアクセスできる。モノとしては十分だが、正直なところあまり使っていない。デザインなど割といい感じに仕上がってるとは思うが、リッチになった昨今のWebの表現と比べると質素に感じてしまう。自分で作っているものなので勝手にアップデートされて便利な機能がつくこともない。何かバグがあったときに直すのも自分だ。汎用的なニーズでいうと、自分で作るカスタマイズ性よりも誰かがいい感じに運営してくれる気楽さの方が重視される。

これは家具とDIYの関係と同じかもしれない。自分がちょうど欲しいものを作り、それを使う楽しさは確かにある。水分トラッカーが本当に心から欲しいものではなかったのもあるかもしれない。記録したいなと思っていたがアプリを探すほどは欲していなかった。本当に欲しいものを作れたらどうなるかは試してみたい。それは例えばホットクックのレシピ検索AIであったり、仕事の単純作業を効率化できるミニツールであったり。どちらも作れた際には日常的に使うことになりそうだ。AI関連のツールは次々と登場しており、手を動かして学ぶのが自分のモットー。次はそういった地に足のついたものを作ってみたい。