かっこいい服と自分に似合う服は違う
2025/08/13
すっかりオーディション番組「THE LAST PIECE」にハマっているが、社長でプロデューサーのSKY-HIが何度か言っていた言葉が「かっこいい服と自分に似合う服は違う」。曲を自分たちで作るクリエイティブ審査のなかで出た言葉だが、ファッションでも音楽でも、そして普段の仕事でもこれは当てはまる。
同僚や先輩、SNSで活躍している人などを見ると憧れる。自分もそうなりたいと思うが実際には難しい場合が多い。それは自分の積み上げてきたものとその人のストーリーがあまりにも違うから。ずっと自宅でひとりで技術と向き合っていた人が、毎週有志が集まる勉強会を主催している人にいきなり変わるのは難しい。エッセンスを何割か吸収することはできる。でもあくまで自分と向き合い、自分にあった形で取り入れる必要がある。
もう一つ好きな言葉が「ハンデすら美点」。これはSKY-HIではなく候補者のひとりが曲の中で歌っていたフレーズ。その候補者は小学四年生のときに吃音症を「獲得」して歌を届けるのを諦めていた。しかし今また挑戦し、得意のダンスに伸びてきた歌の実力が合わさって高い人気を得ている。こんなに明確じゃないにせよ、誰もが自分のコンプレックスを抱えている。嫌だ嫌だと遠ざけても自分から離れることはなく、一周回ってそれを自分の特徴と捉えられた時に自分らしさの武器に変わる。この切り替えはとても難しくて長い時間を要するが、前を向けたときは受け入れられた自分の度量が少し大きくなっている。