10ヵ月間作っていたサービスをリリースした
会社を辞めて数ヶ月、辞める前も半年ほど作っていたサービスをリリースした。「tone(トーン)」というタスク管理のWebサービス。Todoアプリを個人で使ってる人は多いと思うが、それをチームで同じ場所に管理する。他メンバーの仕事が見える化されるので属人化が防げたり、誰かが困ってる時に手を差し伸べやすくなる。そんなコンセプトで作っている。
前職で似たような海外のサービスを使っていて、それでは満足できなかったことが開発のモチベーションとなった。そのサービスはいろんな機能を持っていることを特徴としているが、機能豊富すぎて誰も使いこなせない。いろいろ機能がある中の10分の1くらいしか使えていないという感覚はなんとなくネガティブに会話され、本来必要な体験を満たせてないような気がしていた。toneはタスクに特化して使いやすい。不要な機能はなく自分たちの手足のように使えるサービスを目指している。
サービスを紹介するページをランディングページ(LP)と呼ぶが、LPに書けるような目立った機能ではない部分を作り込んだ。例えば海外のサービスだとかな変換が考慮されてないことが多く、日本語入力の途中で意図せずタスクが作成されてしまったりする。マイナスをゼロにする系の実装なので大きく謳うポイントではないが、こういう細かい部分の使い勝手にこだわった。
デザインのシンプルさや高速な動作はアピールポイントのひとつ。チームにツールを導入して「これを使いましょう」とすると個々人の手慣れたツールから移行してきてもらうことになる。タスク管理のような日常使いするツールで慣れを手放すのはかなり痛い。それを少しでも和げ、心地よい空間になるよう頑張っている。スマホアプリのようにサクサク使え、その裏では他のチームメンバーにもリアルタイムに変更が反映される。機能はそれなりにあるが普段は隠れていて、関心が高まったときにだけ操作ボタンが表示される。多機能とシンプルは両立できる。たくさんある機能をどううまく隠して見せるか。それが最近の自分のデザインのテーマになっている。
普段1-2ヵ月でリリースまでいくことが多いが、toneは作り始めて10ヵ月かかった。今回の挑戦は「作り込んでクオリティで勝負する」。突拍子もないアイデアではなく地味な使い心地で気に入ってもらいたい。納得できるラインまではいったん来れたので、この後は良い機能追加をどんどんしていきたい。