インターネットとの出会い

2025/09/18

歳の離れた兄がおり、その影響で小学4年生の頃から家にパソコンがあった。ディスプレイやキーボードのかっこよさに惹かれて特に理由もなくよくパソコンを立ち上げていた。パソコンを意味あって使うのはゲームの攻略情報を検索するときくらいだったが、友達が遊びにきた時に「お絵かき掲示板」なるものを見つける。マウスで絵を描いて投稿し、それにコメントがつけられるという簡単なものだったけど、誰か知らない人からコメントをもらうドキドキがあって当時はとても面白かった。

もう少しネットに慣れてくるとオンラインのブラウザゲームにハマるようになる。特に思い出深いのが「エンドレスバトル」というゲームで、ガンダムのような機体を一体選んで自分のキャラクターにし、ボタンをポチポチ選んで強化したり他のプレイヤーを攻撃したりするものだった。いくつかの国があり、各プレイヤーはどこかの国に所属する。チャットは基本的にその国の中の人と会話できる。どこの国を奇襲するとか、宣戦布告して決まった時間に両国のプレイヤーが集まって戦うとか、交流も含めてとても面白いゲームだった。

よく交流した人とはMSNメッセンジャーのコンタクトを交換して繋がり、他のゲームを一緒にしたりもした。その中の一人にプログラミングの知識を持っている人がいて、簡単なJavaScriptを書いてエンドレスバトルの画面の見た目を変えたり、他の国のチャットに入室したりを披露しており、その不思議さに惹かれてプログラミングに興味を持ってエンジニアになることに繋がった。

中学生の途中くらいで熱が冷めてその界隈とは切れてしまったが、大学生になったとき特に仲の良かったゲーム友達が久しぶりにチャットしてくれたことがあった。その人は神奈川で塾講師をしているらしく、そこで使う数学の問題を作ってくれないかと頼まれて何問か作るバイトをした。その時に色々話し、やっぱりこの人は面白いなぁとか、当時はいろんなゲームをしてたなぁと懐かしくなった。ゲーム自体はそこまで得意じゃないが、オンラインでチャットしながら遊ぶのがあの頃はとても楽しかった。本編を無視していろんなステージに行って散歩したり、記念撮影したりと自由に遊んだ。今でもできないことはないが、あの頃ならではの時間の密度がそこにはあったように思う。