アプリで稼ぐなら広告かサブスクか

2025/10/01

モバイルアプリのマネタイズのトレンドが広告からサブスクに移ってきている。背景にはユーザーの追跡が難しくなって広告の単価が下がってきたことや、サブスクがすべてのアプリで利用できるようになったことがある(以前はiPhoneだと雑誌などの定期購読系アプリしかダメだった)。さらにNetflixなどの普及でサブスクの認知度があがり、今ではユーザーが気に入れば個人開発のアプリでもサブスクに入ってもらえるムードになっている。

では自分のアプリを作ったとして、どちらを組み込むのが良いのか?

広告料金は基本的にアプリの滞在時間に依存する。ゲームのように長く遊ぶものなら良く、リマインダーアプリのようなサッと立ち上げて入力したらすぐ閉じる系のアプリには不向き。アプリの性質を考えて判断する。昔は広告しか選択肢がなかったので、ツールアプリに本質的でない機能(天気見れるとか)を追加して毎日立ち上げてもらえるよう工夫することも少なくなかった。多少は売上に貢献したかもしれないが、そのアプリが本来解決したい課題と関係ない機能開発でファンが増えることはない。

サブスクの良いところに開発者の改善モチベーションに繋がりやすいという点がある。例えば有料アプリではダウンロード時に課金が発生する。アプリを使う前に購入するこのフローではアプリ内の体験ではなくアイコンや説明文などのマーケティング要素が重視される。サブスクであれば良いものを提供すると継続的に対価を受け取れる。ユーザーの意見を聞いて改善する姿勢にもなりやすく、バランスが取れれば双方良しの環境になる。

ただ、サブスク疲れもまた現代の象徴となりつつある。NetflixやAmazon Primeなどの大手に加えて趣味の何かしらにも課金しているユーザーは多く、毎月の支払いがバカにならない。使ってみたいアプリでもサブスクプランしかないと躊躇うこともある。この状況を逆手にとって一度買い切りのモデルで勝負しているアプリも最近は散見される。結局最終的に何を選ぶかはアプリの性質と自分のポリシーに基づくことになる。