ヒカルの碁を読み返した

2025/11/08

「ヒカルの碁」を一気読みした。京都で原画展をやってるらしく、それとの連動キャンペーンで10巻まで無料。ヒカルの碁は学生時代に大好きだった漫画で、影響されて碁盤を買って囲碁を兄と一緒に勉強したりもした。囲碁というルールも知らない世界でこんなに面白く読めるのかと、幼心ながら衝撃を受けたマンガ。

大人になって読み返してもやはり名作で、序盤・中盤・終盤すべてが面白い。大枠の流れは覚えているものの、ネット碁打つシーンあったなぁとか、和谷ってキャラクターいたなぁとか、読んでいて記憶が徐々に蘇ってきて面白い。小畑先生はこの後デスノートでさらに有名になるが、個人的にはヒカルの碁の方が好きかな(題材の渋さもあり)。

作中では登場人物たちが「神の一手」を追求すべく切磋琢磨する。こういう切り口だと現代では必ずAIが登場すると思うが、当時はまだ存在してなかったのも時代を表すアーカイブとして良い。調べてみると囲碁ではプロがAI相手にハンデをもらってようやく同等の勝負ができるらしい。今同じような作品を書いたらAIの活用とか、AI時代に碁を打つ意味とかの物語が追加されるだろう。

登場人物のひとりに伊角さんがいて、彼は囲碁は強いがメンタルに不安定な部分があり、盤面外の出来事が原因で調子を崩してしまっていた。そんな彼が中国に出稽古に行っていたときにかけられた言葉が「感情のコントロールは習得できる技術」というもの。子供の頃はカッコいいなくらいに思ってたけど、大人の今読むと沁みますね。仕事のスキルやモチベーションがあっても、人間関係や周りの状況が気になってパフォーマンスが発揮できないことはある。人によっては顔色を気にし過ぎてしまう人もいる。生まれつきのものもあるけど、それは後からでも習得できるスキルだと思うと気が楽になります。