プロダクトマネージャーをまたやる可能性はあるのか
たまに「もうプロダクトマネージャーやらないんですか?」と聞かれることがある。毎回あまりうまく答えられなかったので、ここで考えてみたい。
経歴的にはエンジニア→プロダクトマネージャー→フリーランスエンジニア と渡ってきている。最初のエンジニアは10年くらいやって、それなりに楽しかったが限界が見えてきた。作ることはできても流行らせたり、収益を出して持続可能にしたりすることができない。専門のスキルを高めて技術者として確立するが自分はそういうタイプではない。ひとつの分野を100にするより、60くらいの分野を3つ持ってる方が面白いかなと思っている。なので転職した。
プロダクトマネージャーは総合格闘技といわれる。主な仕事は意思決定だが、それにはビジネスも技術もデザインもマーケも、すべて理解した上で各領域を繋ぐ架け橋にならないといけない。個人開発の組織版みたいな考えで、取り組んでいて面白かった。しかし会社が大きくなるにつれ「プロダクトマネージャー」という専門職として動くことが求められるようになってくる。そうなるとやりたいことと少しズレが出て、そのタイミングで生成AIが来た。
AIはプロダクト開発の可能性を青天井にする。1人や2人でのユニコーン企業が出る日も近いと思っている。ここで大事なのは「可能性は無限だが、人間への負荷は高い」ということ。
AIは仕事を依頼すれば24時間365日やってくれる。しかしその仕事を手放しでリリースすることは難しく、人間のチェックは必須になる。そうなるとAIが賢くなるにつれ人間はしんどい。体感は3倍ぐらい頑張らないといけないが、当然給与は3倍にはならいない。そうなると9時-17時で働く中で、体にムチを打ってAIと全力で走る理由があまり生まれなくなる。会社の業績が3倍になっても個人に返ってくるリターンは少ない。
じゃあどうすればいいのか?青天井にリターンのある分野でチャレンジする、というのが今の自分の考えだ。例えば個人開発は時間をかければかけた分だけリターンが大きくなる可能性がある。またAIの活用についても、気合を入れて人の何倍もの成果を出せるようになれば、1日1時間集中して働けばOKのような生活も実現できる。時間給ではなく、成果報酬の形の方がAI時代には好ましい。
個人開発とプロダクトマネージャーは考え方やスキルセットが似ている。違うのはチームのサイズくらいだろうか。自分がプロダクトマネージャーで学んだことは個人開発にかなり活きてると思うし、個人開発を頑張ることがプロダクトマネージメントの上達にも効いてくると思う。なので今は個人開発だなと思ってフリーランス化してトライしてみている。
将来的にプロダクトマネージャーに戻る可能性はある。それは大きな社会貢献とかはチームじゃないと難しいから。でもエンジニア的な働きもできたら方が自分の貢献度合いを高められるような気もするので、時代を様子見かな。とりあえず今は、目の前のことに取り組んで没頭できてればそれでよい。