負の感情があってもよい
2025/05/02
ルサンチマンという言葉がある。弱者が強者に対して強い嫉妬、劣等感、怨恨などを抱いた心理状態のこと。「前向きに生きよう」「人と比べるのはやめよう」などのメッセージを受け取っているとルサンチマン自体がよくないことに思えるが、人間をやっていれば負の感情を抱くタイミングがあるのは避けられない。感情が湧き上がるのを止めることはできない。人ができるのはその感情をどの向きのエネルギーにするかの部分だけである。
自分は負けず嫌いなところがあり、勝負事などで負けると大変悔しい。そこでイライラを相手にぶつけると喧嘩になるが、「次は絶対勝ってやる」と悔しい気持ちをバネにできれば練習が加速する。社会人になりたての頃、同期や友人など親しい間柄の人にはみなパートナーがいた。羨ましく思うこともあったが、「すべての時間を勉強に注いでエンジニアとして成長してやる」という前向きの力として働いた。満たされた状態はもちろん幸せだが、何かが不足していると感じる時もまた成長の追い風となる。
どんな状況でも前向きのエネルギーにできるかは正直わからない。今のところ家族や親しい友人は健康でいつでも会える。今後大きく状況が変わったときにどこまで感情の発露をコントロールできるか分からないが、少なくとも「どんな状況でも前向きなエネルギーに変換できる」と信じている方が救いはある。疲れ果てたときは休めばいい。無理せず全力で休んで、ちょっとだけ回復したときに「さぁこの経験から何を学べるか」と小さく思えればよい。