THE Wを見た

2025/12/13

夕飯をつけながらふとテレビを点けるとTHE Wがやっていた。女性芸人のNo.1を決める大会で賞金は1,000万円。いつも思うけどM-1と時期が近すぎて盛り上がりづらい。今年は粗品さんが審査員をやっていて注目されていた。粗品さんはytvの審査員を今年初めてやり、その的確な分析と厳しく愛のあるフィードバックで番組を盛り上げた過去がある。

THE Wはレベルが低いと言われていて、それはTHE WのファイナリストがM-1の3回戦あたりでみんな落ちているので根拠もある。それでも審査員は毎年「面白い」を前提にコメントしてたが、粗品さんは「面白くなかった」「1秒も笑えなかった」「おもんない客が変なところで笑ってただけ」と辛辣なフィードバックをする。

自分も粗品に話が振られたときは観ていてワクワクしたが、全肯定できないモヤモヤが少しあった。それが何か考えてみると、「強者の意見は常に正しい」世界を嫌がってるんだと気づいた。世間の目を気にして曖昧なことを言う審査員が増えてるなか、本当に実力アップに繋がるコメントをする粗品さんは必要な存在。でもファンが「粗品が言ってるから正しい」「粗品に歯向かうやつはアホ」みたいに言い出すと息苦しい。粗品さん自身が「お笑いわかってないアホども」と言うように、考えることを放棄して誰かの追従だけする人が増えていく様子は寂しい。

あとは最近の賞レースはバラエティ的な空気に包まれていて、例えば敗退した人も面白いコメントで爪痕を残そうとする(本当は悔しいけど出さない)。エルフが粗品コメントを笑いで返そうとしてズレた時があったが、それはエルフが番組の雰囲気を重視しようとしたからで、番組側がどういう大会にしたいのかを出演者と共有する必要があったように思う。

ちなみにAbemaのオーディション番組「RAPSTAR 」では審査員6人のスタイルや審査の観点がそれぞれ違っていて、この違いが番組に厚みを生んでいる。どの人のコメントも聞いてもなるほどと唸らされるし、6人がお互いの審査をリスペクトしてる様子も見られて色んなスタイルがあるんだなと実感できる。今は粗品さん一人が目立ってるが、他の審査員とバランスが取れるようになればもっと見やすくなるかもしれない。