「歩く マジで人生が変わる習慣」を読んだ

2025/12/01

歩く マジで人生が変わる習慣」を読んだ。著者はNewsPicksの編集者の方。ある時一足の靴に出会い、歩くのが楽しくて仕方なくなる。これはどういうことなのかとリサーチし、その内容をまとめたのが本書。

この本の存在は以前から知っていたが手が伸びなかった。それは「歩くのが健康に良いこと」はもう知っているから。「脳を鍛えるには運動しかない」や「運動脳」で語られ尽くしている気もしており、新しく知ることはあまりないかもな、と。友人との会話をきっかけに読んでみたところ、半分は前述2冊と重なる内容、半分は新しい内容といった感じで、知らないことも多々あって面白かった。

例えば「歩くと脳がよく動く」というイメージがあったが、これは間違いらしい。そうではなく、現代人の脳は常に動きすぎて疲れている。歩くことで身体優位になり、頭の中が空になる。そうなると適切に余白ができて良い思考ができるという順序らしい。歩くのが思考に良いという意味では一緒だが、このロジックを知っているとちょっと楽しい。

革靴やパンプスのつま先がなぜ尖っているのか?というリサーチが面白い。個人的には仕事でスーツを着たことは一度もなく、革靴とも縁が遠い。しかし一般的な社会人の服装といえばスーツだし、それに合わせる靴(特にパンプス)は人間の足の形に合ってなさすぎない?と常に疑問に思っていた。この本を読んで長年の疑問が晴れることになる。

先が尖った靴って歩きにくくない?その答えはYESになる。この尖った靴の先祖を辿っていくと、元々は「プレーヌ」という中世ヨーロッパで流行った靴に行き着くらしい。プレーヌは階級の高い人たちが履いており、つまり「私たちは動かなくていいくらい身分が高いですよ」というのを示すために履いていたものらしい。それが今仕事で歩き回る人々の靴のデザインに影響しているとは皮肉もあって面白い。

あとはテスラの話で、自動運転が広がった世界がどうなるかというもの。運転できない人や高齢者が便利になったり、渋滞や事故が減るというのはよく聞く話だが、「街に公園が増える」というのが興味深い。動いている車ではなく止まっている車に注目すると分かる。概算では動いてる車は全体の5%しかなく、あとは街の駐車場で休んでいる状態なのだそう。自動運転になると必要な車が必要なだけ流れている状態になるので駐車場が減らせる。そこに公園を作りましょう、ということらしい。これは実現を応援したくなるアイデアだな。

本題の「歩く」についてだと、週に3回、40分のウォーキングを習慣化すると良いらしい。習慣化の鉄則は毎日やることなので、毎日散歩して、雨の日は行かないくらいでちょうど良さそう。自分のことでいうと最近は天候もよくて毎日歩けている。冬が来てもこれを続けられるようにしたい。